作成者:西村智朗 ( t-nishi ( a ) hosei.ac.jp )
・drag&drop機能をImplaGraph に追加した。(第1,2列がそれぞれx(um),y(atoms/cm^3)に対応するSIMSのようなデータが必要)
・ImpaGridView上のファイルを削除する機能を右クリックメニューに追加した。
・英語版WinでscatGUIの起動に失敗することがある不具合を修正した。( 各WinFormsのAutoScaleModeプロパティを "Font "から "None "に変更した。)
・自動更新チェック機能を実装。
・近接衝突確率の計算の改良を行った。
・サンプル用のGaNの原子構造の振動振幅を Xiong&Moss(1997)の平均値 Ga:0.059A, N:0.063Aに変更し、またランダム注入時の分布を再現出来るように阻止能の補正係数を1.0から1.2に変更した。
(Ref. M. Schowalter et al. Acta Cryst. A65, 227-231 (2009). Table 6の値を2Dから1Dに変更後、u11とu33の平均値をとった)
・参考までに Firsov の衝突係数依存の阻止能を実装
・イオンのエネルギーが低い(数 keV/u 以下)場合に電子的阻止能を0とする選択肢を追加 (チャネリング注入の場合にこれを用いるとうまく実験値を再現出来る場合が多い。)
・クイックソート関数の不具合修正
・Oen & Robinson の電子阻止能の exp(-beta × x) の x として衝突係数(b)と最近接距離(r0)(軌道極点(Apsis)でのr)の両方を選べるようにした。
・Oen & Robinson の電子的阻止能の係数(0.3)を変更可能にした。
(標準値は beta = 0.3/a_screening) (Se(b) = (Ziegler's Se) ×beta^2 ×exp(-beta * b)/(2 Pi) )
・2体衝突での変曲点は計算を行いやすくするため、イオンの直進線とターゲット原子を通ってそれに垂直な直線との交点を用いてきた。ただ低エネルギーイオン(数keV以下)に対してはRunge-Kutta 法による2体衝突の理想軌道と比較して衝突後の漸近線のずれが大きくなる。この漸近線の始点補正は2体衝突での時間積分計算を行うと求められる。低エネルギーイオン散乱やチャネリング注入でのシミュレーション精度を上げられるようにscatGUIから始点補正の有無を選択出来るようにした。
・近接衝突確率の角度依存性を調べる場合、厚い試料に対して出力ファイルの個数が多くなりすぎるため出力形式を行列形式にするよう見直した。
・上記に伴って行列データを2次元マップデータとして画像表示する機能も追加した。
Version 1.33
References
1. Tomoaki Nishimura and Tetsu Kachi, “Simulation of channeled implantation of magnesium ions in gallium nitride”, Applied Physics Express 14, 116502 (2021). https://doi.org/10.35848/1882-0786/ac2a55
2. Tomoaki Nishimura, Kiyoji Ikeda, and Tetsu Kachi, “Channeled implantation of magnesium ions in gallium nitride for deep and low-damage doping”, Applied Physics Express 14, 066503 (2021). https://doi.org/10.35848/1882-0786/ac039e
3. T. Nishimura, M. Satoh , K. Nomoto, T. Nakamura, T. Mishima, "Site identification of GaN using preferential scattering effect along [1-100]axis", Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 268 (2010) 1942-1944.