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今井教授が取り組む二つの研究は、どちらも国家プロジェクトに採択されたもの。一つ目は「国土空間の計測・管理手法の開発」。飛行機からレーザーを照射して地形をとらえ、サイバー空間に3D都市を再現する「デジタルツイン」の構築に取り組んでいます。 二つ目は、「都市活動の分析・見える化」。携帯電話の移動情報やカメラ、センサーで取得したビッグデータを駆使して、都市の人流や交通量の調査手法を検討しています。この技術はコロナ禍における人の移動解析に活用され、大きな注目を浴びました。
研究の成果は、今後どのように活かされるのでしょうか。
「国土を詳細に計測したデジタルツインを構築すれば、地形の微細な変化を捉えることができるようになり、堤防の決壊や土砂崩れなどの災害を未然に防ぐことが可能になります。人流データの活用や交通量の自動計測により、人や車の移動を効率的に制御できるようにもなるでしょう。今後、少子高齢化が進んでも、誰もが安心安全な暮らしを送れる環境をつくっていきたいと思っています」と今井教授は語ります。
サイバー空間とフィジカル空間の融合した社会を目指す国家プロジェクト「Society5.0」。人流データの活用はコンパクトシティの実現においても期待が寄せられており、サイバー空間が都市を制御するシティオペレーターの役割を果たしていくことになるでしょう。
2023年度第19回デジタルコンテンツ・コンテスト(法政大学主催)の動画部門で、デザイン工学部社会空間情報研究室(今井龍一教授研究室)の学生たちが作成した動画「法政大学 デジタルキャンパスツアー」が入選しました。
三次元空間を点群データとして計測するレーザー機器を用いて作成したこの作品は、市ケ谷キャンパスをバーチャル空間で表現し、俯瞰的な視点でキャンパス内を縦横無尽に駆け回る疑似空撮動画です。
ぜひ、鳥になった気分で新しいキャンパスツアーをお楽しみください。
(掲載先:広報誌「HOSEI」2023年12・1月号)
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