研究所概要

教育

研究所概要

 本学が1981年に本研究所をそれまでの財団法人から学内の附置研究所とした際に、大学当局からは 「研究所の運営にあたっては、法政大学の教職員および院生・学生に対し、その所蔵する図書資料等の利用の便宜を図り、その他大学の教育研究の目的に沿うように配慮すること。」(『法政大学百年史』)という活動面での条件が提示されている。
 本研究所では、このことを踏まえ、本学の教員、学生、学外の利用者に対する統計データの利用便宜ならびに利用に際しての適切な助言の提供することを掲げて活動を行ってきた。1986年の経済学部と社会学部の多摩移転に際しても、利用者に対する統計データの面提供サービスの低下を生起することがないように、図書館とも緊密な連携を図ることで対応してきた。すなわち、図書館が統計資料に関して市ヶ谷キャンパスでは和政府刊行物(日本の政府統計)を、また多摩キャンパスでは洋政府刊行物(海外の政府統計)というそれぞれ分担整備するとの基本方針が立てられた。このような図書館側の対応を受けて、多摩キャンパスにおける研究・教育のための和政府刊行物の利用ニーズに対応するために、本研究所がその部分を担当することになった。それ以来今日に至るまで、人件費を除く研究所の予算のほぼ半額を閲覧提供用の統計資料の整備に充当してきた。この点で本研究所は、プロジェクトベースで学部あるいは学内教員に研究費を提供することで研究活動を展開している多くの研究所とその活動方式を本質的に異にする。
 また、統計資料の収集に関しては、各自治体の協力も得ながら20年以上にわたり、関東地区の市区町村レベルでの統計のコレクションを維持している点も特筆される。収集されたこれら地方統計資料は、今日、貴重な資料集積となっている。なお、予算面での制約はあるものの、本研究所では近年の情報技術の進展を受けて、磁気媒体によるデータの収集にも積極的に取り組んでいる。 このようにして収集した各種統計については、教員による研究目的での利用だけでなく、学部の授業での課題、学部学生のレポート・卒論作成、院生による論文作成、さらには学外の利用者によっても広く活用できるように、研究所ではこのような利用者さらには電話やウエッブを通して寄せられる各種利用相談にも積極的に対応している。
 2020年3月には研究所の図書の配架替えを行い「卒業論文作成支援コーナー」を設置した。これは初心者向けのやさしい統計書、および統計分析の入門書を置いた配架したコーナーであり、学生が興味深くかつやさしい統計書を見つけ、かつそれを用いて自分で分析できるように設置したコーナーである。また、学生が研究所の図書を見つけやすくするために、研究所の所蔵図書の図書館の検索システムへの登録を進める。