研究×SDGs社会学部 社会政策科学科 島本 美保子 教授

世界の森林の持続可能性と林産物貿易

  • 2021年 05月06日
  • カーボンニュートラル
  • ダイバーシティ
研究×SDGs

熱帯林を中心とした世界の森林破壊の原因と持続可能な森林管理のための国際システムについて経済学から分析しています。

熱帯林消失の直接的原因は農地転用や商業伐採、燃材採取等です。気候変動問題や砂漠化問題とは異なり、未だに国際条約がありません。近年欧米先進国では森林認証や違法伐採規制が普及していますが、日本では強制力を伴った法整備ができておらず、違法伐採材がいまだに流入していると言われています。

日本は森林率が7割近く高い国ですが木材自給率は4割弱で、多くの林産物を海外から輸入する一方、国内の林業は衰退しきっています。自国内に資源があるのになぜ自給できないのか、これは貿易システムの問題です。そしてこの貿易システムに関わるさまざまなステークフォルダの利害対立、政治過程の問題でもあります。このような問題領域を政治経済学的に分析し解決方法を模索するのが私の研究です。