現役大学生でありながら女流棋士として活躍されている野原 未蘭さん(キャリアデザイン学部4年)を取材。将棋を始めたきっかけやプロになるまでの歩み、大学生活との両立、プロ棋士としての目標などお話を伺いました。
野原さんが将棋を覚えたのは幼稚園の頃。「将棋好きの父が、私にわざと勝たせて勝つ喜びを教えてくれたこともあり、『将棋って楽しいな』と思えた経験がきっかけで、以来高校まで習い事の延長のような意識で続けてきました」。中学1年生の時にはアマチュアの中学生名人戦で女性初の優勝を経験。さらには、女流アマ名人戦では3連覇を達成。その頃にはプロになることへの周囲の期待を感じ、自然とプロへの道を意識するようになったそうです。
2020年にプロになり、意識が大きく変わったと言う野原さん。「一つ一つの対局に注目してくれるファンの方々ができ、その期待に応えて頑張ろうという思いが強くなりました」。それと同時に、女流棋士のトップ層のレベルの高さやライバルたちの熱量の高さを知らされたそう。「私はこれまで気持ちの面では大きな挫折を経験することなく、『楽しくて将棋を続けていたら、運が味方をし、女流棋士になれた』と感じていました。もちろん努力はしていましたが、長い年月をかけて血のにじむような努力をしてきたわけではなく、そのためどこか根拠のない自信や慢心もあったのだと思います」。周りのプロ棋士の将棋への姿勢に触発され、自分自身の意識も高まったと教えてくれました。
努力に裏打ちされた結果を残したいという思いで、大学生活と両立しながら日々練習に励む野原さん。今後の目標は、昇段に向けて一戦一戦勝ちにこだわり、タイトル戦で活躍すること。また、新たに将棋に興味を持った人々が長く親しんでもらえるよう、その魅力を発信し続けていくそうです。「これからも、皆さまに楽しんでいただける将棋を指し、応援したくなる棋士を目指して頑張ります」と想いを語ってくれました。
本誌には、「女流棋士・野原さんに聞く対局のこだわりや舞台裏」についても掲載。ぜひご覧ください!
(掲載先:広報誌「HOSEI」2025年2・3月号)
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