法学部について

法学部合格者メッセージ

法学部について

法学部に合格されたあなたへ 法学部長 中野勝郎

法政大学法学部への合格、おめでとうございます。

コロナ禍のなかでの受験勉強、大変だっただろうと思います。
不安定で不安な環境のなか、一年間を安全に過ごし、勉学に励んで来られたことに敬意を表します。

あなたが志望し、入学案内書を手にした法学部。そこは、あなたの目にはどのように映っているのでしょう。

法律学科・政治学科・国際政治学科の三つの学科から構成されている法学部は、人と人とが秩序をつくり、それを維持・改善しながら、共存していくための技について考え、それを習得していくための場所です。

そのためには、人間について、社会について、たえず関心を持つことが必要です。人はみなそれぞれが独自の存在でありながら、ともに生きていくことを求めています。

だから、法学部は、法や政治を学びながら、いや、学ぶために、人間とは何だろうということを考え抜かなければならない場所です。

人間は、とても不完全な存在です。なにが起こるのかを予測する能力に限界があり、相手の心を理解する能力に限界があり、自分の思いを他者に伝える能力に限界があり、物事を知る能力・感じる能力に限界があります。それでも、ともに生きて行くには、できるかぎりの力で他者を理解し、できるかぎりの力で自分の思っていることを伝え、できるだけ自分を取り巻く環境に敏感でなければなりません。

そのために必要な道具としてあなたがもっているのは、「言葉」です。「言葉」で、他者を、自分を、社会を認識し表現する。

「言葉」もまた不完全な道具です。でも、法も政治も「言葉」によって営まれる人と人との関係です。不完全な存在である人間が不完全な道具である「言葉」を使って、共存しようとしているのです。

だから、「言葉」を磨きましょう。無数にある「言葉」のなかから大切な「言葉」を選り分けながら、それを磨いていきましょう。より正確に人や社会や物事を捉えることができるように。

そうすることによって、不完全な人間が織りなす法や政治は、よりマシになるはずです。

そうなのです。「言葉」を磨くことは、観察や伝達の道具を精巧にするというだけではなく、人をある行為へと誘いもするのです。ある行為とは、現状をより良い状態へと変えていくことです。相手をより正確に知ることが、自分をより正確に表現できることが、あなたと相手との関係をよりマシにしていくように。

「言葉」を選り分け磨くことは、「知る」ことと言い換えることもできます。「知る」ことは、世界をより正しく認識し、世界をより広げていくことです。

あなたが手にしている合格通知書は、世界とのそんな関わり方をする場所へとあなたを導く招待状です。待ち受けているのは、「知る」ことを愛して止まない大人たちです。

「知る」ことは、教員からあなたへの一方的な伝達行為では達成されません。「知る」という行為は、あなたとあなたの友人たちと教員との対等な交信を必要とします。

「よき師よき友つどい結ぶべり」(法政大学校歌)。
それが法学部が目的とする学びの場の姿です。

法学部長 中野勝郎

法学部長 中野勝郎