法律学科

法律学科の特色

法律学科

未来を見据えて、諸問題に対応できる問題解決能力「リーガルマインド」を養成

法律学とは,現代社会のさまざまな現象を論理的に捉え,その解決策を探る法的なものの考え方,いわゆる「リーガルマインド」を養成する学問です。法律学科では,憲法・民法・刑法・商法等それぞれの分野で基礎となる法律や理論を理解してから応用へと進む,系統的に学べるカリキュラムを構成。法の基本的原理や基礎知識の修得とともに,法原理を応用できる幅広い教養と柔軟な思考力を育成します。

また,学生が自ら考え,相手と議論し,答えを探るという主体的な授業により,「当事者・相手側・第三者」という3つの視点から考えて,判断する力も鍛えます。これにより,社会の諸問題を解決するための「実学」としてだけでなく,社会を客観的に見つめる目,深い洞察に基づいた論理的・合理的思考方法,学力を基盤とした表現力の豊かさが身に付きます。全てが,より良い未来の社会を構想する力となるはずです。

未来を見据えて、諸問題に対応できる問題解決能力「リーガルマインド」を養成

実践力を育む「法職講座」

法律専門職を目指す学生のために,正規カリキュラムとは別に設置。主に本学を卒業した弁護士が講師を担当し,専門知識の修得だけでなく,答案の書き方や法曹界全般についてのアドバイスも受けられます。

  • 公務人材育成センター主催

”ガイドライン型”の6つのコース制

コース制には様々なタイプがありますが、法律学科では“ガイドライン型”のコース制を採用しています。これは、コース制により学生の皆さんに系統的な科目履修をしてもらうと同時に、皆さんの科目選択の自由を必要以上に制約しないとの考え方に立つものです。

その特徴は

  • 各コースに掲げられている科目は、それぞれのコースごとに履修が強く望まれる科目の推薦リストです。そして、各コースのアドバイスに従ってこれらの科目の履修を進めて行けば、系統的で総合的な勉強ができるよう工夫されています。
  • 各コースの推薦科目数の合計は卒業所要単位を上回っており、全ての科目を履修する必要は必ずしもありません。従って、選択したコースの説明とアドバイスを参照しながら、皆さんの関心にあわせて具体的な履修科目を確定していくことになります。
  • 各コースの推薦科目はガイドラインであり、あるコースでは特定の科目を履修しないと卒業できないとか、あるコースを選ぶと一定の科目を履修できなくなるというような拘束や制限はありません。コース間で推薦科目が重複している場合もありますし、また中途でのコースの変更も自由です。

コースの利用法

法律学の勉強では、まず入門的な科目からスタートし、次いで基本的な科目を履修して基礎を固めながら、さらに自分の関心や興味のある分野・テーマを選んで深めていく、という履修方法が望まれます。そこで本学科のコースも、1年次は入門的科目の履修を中心とし、2年次以降にコースの独自性が出てくるように組み立てられています。従って、まず2年次に進む時点で適当と考えるコースを決定し、必要があれば3・4年次に変更するという方法をとって下さい。(なお、選択必修科目、選択科目、自由科目等の科目区分や履修科目数についての詳細は、「履修の手引き」を参照して下さい。)

① 1年次生へ

新しく大学の門をくぐった皆さんには、入門科目として、法学入門を用意し、全員の履修が可能なように時間割とクラス編成を考えています。この法学入門は選択科目ですが、法律学一般を学ぶのに必要な学習スキルや基礎知識の習得を目的とした導入科目ですから、1年次で履修することを強くお勧めします。また、1年次から履修できる専門科目として憲法Ⅰ、憲法Ⅱ、民事法総論、契約法Ⅰ、不法行為法、概説刑事法、刑法総論Ⅰ、法思想史を配置しました。憲法・民法・刑法は、法律学の基本中の基本です。1年次ではこれらの入門講義と専門科目を中心に履修しながら、2年次以降自分はどのコースを選択するかを考えていくことになります。また1年次から、履修可能単位数(上記の入門科目を含めて16単位)の枠内で自由科目(総合科目を除く)を履修することもできます。
なお、基礎科目の「法学」は、他学科と共通する一般教養の法学であり、法律学科の専門科目の履修にあたって、特にこれを受講しておく必要はありません。ただし、教職課程履修者には必要な場合もあります。教職課程履修要項を参照して下さい。

② 2年次生へ

2年次生には、民事法総論、契約法Ⅰ、不法行為法、物権法、債権回収法Ⅰ、債権回収法Ⅱ、契約法Ⅱ、契約法Ⅲ、民事手続法入門、刑法総論I、刑法総論Ⅱ、刑法各論Ⅰ、犯罪学、刑事政策、憲法Ⅰ、憲法Ⅱ、憲法Ⅲ、憲法Ⅳ、現代情報法Ⅰ、現代情報法Ⅱ、ジェンダーと法Ⅰ、ジェンダーと法Ⅱ、憲法の諸問題、議会法Ⅰ、議会法Ⅱ、生命倫理と人権Ⅰ、生命倫理と人権Ⅱ、行政法入門Ⅰ、行政法入門Ⅱ、商法総則・商行為法I、商法総則・商行為法Ⅱ、会社法入門、会社法、経済法Ⅰ、経済法Ⅱ、労働法総論・労働契約法、労働基準法、教育法Ⅰ、教育法Ⅱ、国際法入門、国際法基礎理論、法哲学Ⅰ、法哲学Ⅱ、日本法制史Ⅰ、日本法制史Ⅱ、ドイツ法制史Ⅰ、ドイツ法制史Ⅱ、イギリス法制史Ⅰ、イギリス法制史Ⅱ、法社会学、法思想史、法律学特講が専門科目として提供されています。そこで皆さんは、次ページ以下のコース概要を参照しながら自分のコースを決定し、これに沿って履修科目を選択していくことになります。
その際、3-4年次の科目履修も見通して、コースに即した3年間の大まかな履修計画を立ててみることを薦めます。また、2年次でどうしてもコースの決定ができない場合は、複数のコースにまたがる形で履修科目を選択し、3年次にコースを決定するという方法をとることも可能です。
また、人数に制限がありますが、専門科目の基礎的トレーニングをみっちり行う法律実務入門も用意されています。外国語で法律文献を読む能力を養いたい場合、2年次から外国書講読の履修が可能です。

③ 3・4年次生へ

3・4年次生は、1・2年次までの基本的な科目の履修を踏まえて、選択したコースに即して履修科目を決定していくことになります。コースの推薦科目を料理のメニューに見立て、皆さんの興味・関心に従った自由で系統的な科目選択にチャレンジしてみてください。また、3・4年次生(教員によっては、2・3年次生)は演習(ゼミナール)を履修することができるので、コースの選択と合わせて積極的に活用することを薦めます。

1.裁判と法コース

コースのねらい

「社会あるところに法あり」、という古くからある法格言の前提には、「社会あるところに紛争あり」という実態があります。そして、自己の実力行使によって相手を圧倒して紛争を解決することが禁止(自力救済の禁止)されている近代社会においては、裁判制度を通じた紛争解決が要請されることになります。その意味で、法律学の核心の1つは裁判にあると言っても過言ではありません。特に、高度に産業が発達した現代では、環境問題や製造物責任など、かつての牧歌的な社会では存在しなかった大規模な紛争が生まれており、これらを解決する手段としても裁判はその意義を高めつつあります。

コースの特徴

裁判では、紛争を裁断するために準拠すべきルール(実体法)と、裁判の開始から終了までの手続きを規律するルール(訴訟法)が問題となります。この裁判と法コースでは、憲法、民法、刑法等のいわゆる“六法科目”を中心に、これら実体法と訴訟法の双方を系統的に履修することを目標としています。

将来の進路

このコースの科目内容は、弁護士・裁判官・司法書士等の各種の法律専門職を志望する者にとって必須の知識であることは勿論、法と裁判のもつ意義が増しつつあるわが国において、公務員や一般の私企業をめざす者にとっても有意義なコースです。

履修科目

別表の「コース共通科目」に加え、①の番号が付されている科目はいわゆる“六法科目”であり、法律専門職を志望する場合には法科大学院・司法試験合格はもちろん、法律専門職としての専門性を身につける上で必ず学んでおくべき科目です。したがって、履修することが強く求められます。②の番号が付されている科目は、いわゆる六法科目の知識をさらに深めるのに適する科目であり、履修することを推奨します。③の番号が付されている科目は、現代社会において重要な意義を持つ分野や、法律の思想的背景や歴史を理解する上で重要な分野ですので、履修することが望ましいでしょう。

自由科目

法の生きた姿を理解する一助として、他学科科目や総合科目・他学部公開科目を関心に応じて履修するとよいでしょう。

2.行政・公共政策と法コース

コースのねらい

今日、国や地方公共団体(自治体)を中心とする公共部門の活動は、広くかつ深く私達の生活に及んでいます。この公共部門の活動や組織を統制する役割を担う法の現状と将来のあり方を学ぶことはこの部門の活動に携わる職員(公務員)にとって欠かすことができないだけでなく、主体的な市民としても公共部門への参加を保障しているはずの法の現状なり将来像を学ぶことは不可欠です。このコースの目標は、国や地方公共団体が抱えている問題の法的側面を正確に認識し、その解決にむけて積極的な取り組みができるような能力を備えた人材を養成することもあります。

コースの特徴

このコースは、憲法・行政法の履修を基本的な柱とし、各種の行政領域に関する問題を扱う上で理解が求められる現代法の科目、国際化の進展の中でますます重要さを増してきている国際法科目、そして行政の実態を正確に把握し創造的な政策立案能力を身につける上で重要な手助けとなる他学科科目から編成されています。これによって、公共部門の組織や活動に関する法についての基本的な知識を得ることができるだけでなく、広い視野から、その問題点を発見し積極的な提言を行っていく能力を身につけることを目標にしています。

将来の進路

国家公務員・地方公務員・特殊法人職員等、公共部門への就職を希望する者は勿論、マスコミ・教育関係を志望している者にも適しています。さらに将来企業に進もうと考えている場合でも、政治や行政と法との関わりを考えるという点で有意義なコースです。

履修科目

別表の「コース共通科目」に加え、①の番号が付されている憲法・行政法科目、刑事法科目、国際法科目については履修することが強く求められます。また、市民社会で生じる問題への対処および公務員等への採用試験合格のために民法科目についても履修することが強く求められます。②の番号が付されている科目は、①の番号が付されている科目で学んだ知識をさらに深めるのに適する科目であり、履修することを推奨します。③の番号が付されている科目は、現代社会において重要な意義を持つ科目や各種の行政領域に関わる科目であって公務員になる上で理解することが望まれる分野や、法律の思想的背景や歴史を理解するために重要な分野ですので、履修することが望ましいでしょう。

自由科目

特に他学科科目のうち、行政学、政治政策論Ⅰ、政治政策論Ⅱ、日本政治論Ⅰ、日本政治論Ⅱ、自治体論Ⅰ、自治体論Ⅱ、都市政策Ⅰ、都市政策Ⅱ、ジェンダー論Ⅰ、ジェンダー論Ⅱ、経済政策Ⅰ、経済政策Ⅱ、財政学Ⅰ、財政学Ⅱ、経済原論Ⅰ、経済原論Ⅱの中から数科目程度履修するとよいでしょう。

3.企業・経営と法コース(商法中心)

コースのねらい

会社・企業の経済活動は、現代社会において圧倒的ともいえる影響力をもっています。それは、仕事や職業を通じて、また財・サービスの消費を通じて、さらに金融や景気の変動を通じて私達の生活と密接に結びついており、さらにその活動範囲は国際的に広がっています。好むと好まざるとに関わらず、現代は企業の時代であるといっても過言ではありません。このコースでは、企業に関わる様々な法律のうち、特に会社・企業の経済活動の具体的な内容やあり方を規律している商法科目を中心に学ぶことで、現代の企業のあるべき姿を法を通して理解するとともに、現状に流されない批判的な分析と評価・提言能力を身につけることを目標にしています。

コースの特徴

このコースは、商法科目の履修を基本的な柱とし、会社・企業の経済活動のあり方に直結する科目である経済法や破産法、民法(財産法)科目の履修を強く求められています。これによって、会社・企業の経済活動のあり方について多様な観点から具体的に理解・検討することができるコースとなっています。

将来の進路

経営関係の弁護士や企業の法務部担当者を目指している者は勿論、金融・流通・メーカーをはじめとする各種企業への就職を希望している者に適しています。また、これに限らず、広く企業に関する法を総合的に学び、法を通して現代日本経済の生きた姿を見据えたいという者にとっても有意義なコースです。

履修科目

別表の「コース共通科目」に加え、①の番号が付されている民法・商法科目や破産法は会社・企業の経済活動を法律の観点から考える上で必須の科目ですので、履修することが強く求められます。②の番号が付されている科目は、①の番号が付されている科目で学んだ知識をさらに深める科目や、会社・企業の経済活動のあり方を考える上で現代社会において重要な分野ですので(消費者法、保険法、民事執行法・民事再生法、知的財産法のほか、刑事法、労働法科目など)、履修することを推奨します。③の番号が付されている科目は、企業と国・国民との関係や企業の国際化を考える上で重要な意義を持つ科目や、法律の思想的背景や歴史を理解するために重要な分野ですので、履修することが望ましいでしょう。

自由科目

経営学部公開科目の経営組織論Ⅰ・Ⅱ、人的資源管理Ⅰ・Ⅱ、流通論Ⅰ・Ⅱ、会計学入門Ⅰ・Ⅱ、日本経営史Ⅰ・Ⅱ及び他学科科目の経済原論Ⅰ、経済原論Ⅱ、経済政策Ⅰ、経済政策Ⅱの中から数科目程度履修するとよいでしょう。

4.企業・経営と法コース(労働法中心)

コースのねらい

現代社会では、働くことを通じて生活を維持することが求められます。多くは、会社・企業に雇用される「労働者」となるでしょう。しかし、労働者は様々な問題に直面します。とくに問題なのは、長時間労働やハラスメントの横行によって、労働者の生命、身体が脅かされることです。もはや人権問題であるといっても過言ではありません。また、社会が持続可能であるためには、正規労働者と非正規労働者との処遇格差の問題も避けては通れません。このコースでは、企業に関わる様々な法律のうち、労働者と使用者との関係のあり方を規律している労働法科目を中心に学ぶことで、労働問題や現代の企業におけるあるべき雇用と労働について法を通して理解するとともに、現状に流されない批判的な分析と評価・提言能力を身につけることを目標にしています。

コースの特徴

このコースは、労働法科目の履修を基本的な柱としています。また、会社・企業の経済活動のあり方や人権問題としての労働問題を考える上で必須科目である憲法、民法(財産法)科目の履修が強く求めれます。これによって、労働問題や現代の企業のあるべき姿について、労働法科目のみならず多様な観点から具体的に理解・検討することができるコースとなっています。

将来の進路

経営・労働関係の弁護士や企業の法務部担当者を目指している者は勿論、社会保険労務士、労働基準監督官などの専門職を目指す学生、および、金融・流通・メーカーをはじめとする各種企業への就職を希望している者に適しています。また、これに限らず、広く労働に関する法を総合的に学び、法を通して現代日本社会の生きた姿を見据えたいという者にとっても有意義なコースです。

履修科目

別表の「コース共通科目」に加え、①の番号が付されている労働法科目、憲法・民法・商法科目は労働問題を法律の観点から考える上で必須の科目ですので、履修することが強く求められます。②の番号が付されている科目は、①の番号が付されている科目で学んだ知識をさらに深める科目や、労働問題の法規制のあり方および紛争解決方法を考える上で現代社会においては重要な分野ですので履修することを推奨します。③の番号が付されている科目は、労働問題の観点から企業のあり方を考える上で広く関連する科目や、法律の思想的背景や歴史を理解するために重要な分野ですので、履修することが望ましいでしょう。

自由科目

経営学部公開科目の経営組織論Ⅰ・Ⅱ、人的資源管理Ⅰ・Ⅱ、流通論Ⅰ・Ⅱ、会計学入門Ⅰ・Ⅱ、日本経営史Ⅰ・Ⅱ及び他学科科目の経済原論Ⅰ、経済原論Ⅱ、経済政策Ⅰ、経済政策Ⅱの中から数科目程度履修するとよいでしょう。

5.国際社会と法コース

コースのねらい

現代は、外国で起こった政治的・経済的状況の変化が、たちまち私達の国や生活に大小様々な影響を及ぼす時代と言えます。旧ソ連解体後の世界秩序、ヨーロッパの統合、国連PKO、世界貿易機構(WTO)の設立、世界各地で起こる環境破壊や原発事故、BSEや鳥インフルエンザなど国境を超える健康被害のおそれ、不況や難民流出など、どれをとっても私達の生活に無縁なものはありません。この中で、たとえば私達の人権も国内的領域をこえて国際的に保障されるようになり、あるいは企業活動もグローバル化して国際経済法や外国法の知識が必要になってきています。このコースでは以上のような国際化とボーダーレス化の進展に伴って必要とされる法律を総合的に学ぶことを目標にしています。

コースの特徴

今日、国際法と国内法は相互に交錯し補完関係にあります。そこで本コースでは、国内法の基本的知識を身につけつつ、国際法、外国法関係の科目を重点的に学ぶことを基本的な目標にしています。また、特に他学科科目のうち国際政治や国際地域研究に係わる科目の履修が奨励されています。

将来の進路

国際機関の職員(国際公務員)やマスコミ関係を志望する者のほか、将来企業や行政、NGOにおいて国際的な仕事をしたいと考えている者にも適しています。さらに、法を通じて現代における国際化をめぐる問題を総合的に学びたいと考えている者にも有意義なコースです。

履修科目

別表の「コース共通科目」に加え、①の番号が付されている憲法科目、国際法科目については履修することが強く求められます。②の番号が付されている科目は、国際化をめぐる問題のうち、経済活動に直結する問題を考える上で重要な科目や、外国法の法律の歴史・内容を学ぶ重要な科目ですので履修することを推奨します。③の番号が付されている科目は、現代社会において国際化の問題を考える上で重要な意義を持つ科目や法律の思想的背景を理解するために重要な分野ですので、履修することが望ましいでしょう。また、コース共通科目のうち、外国書講読で皆さんの関心や希望に応じて最低1つの国の法や言語を学ぶとよいでしょう。

自由科目

他学科科目のうち、国際政治学Ⅰ、国際政治学Ⅱ、国際協力論Ⅰ、国際協力論Ⅱ、平和・軍事研究Ⅰ、平和・軍事研究Ⅱ、○○(各地域)の政治と社会(例:中国の政治と社会)の中から数科目履修するとよいでしょう。なお、○○(各地域)の政治と社会は、外国法関係の科目の選択とリンクさせて履修するという方法もあります。
また、総合科目の外国語科目は、語学力をパワーアップするのに最適です。

6.文化・社会と法コース

コースのねらい

法解釈学では解釈者の世界観次第で結論を異にすることも少なくないので、法を解釈しようとする人は、自分の世界観に対して十分な自覚と責任を持たなければなりません。そのためには、現行法の知識だけでは不十分で、その基盤(基礎)として、我々が生きている現実の社会について正しい理論的認識を持つ必要があります。そして、社会を理論的に把握するためには、哲学的、歴史的、社会学的、比較法的な認識が不可欠です。このコースでは、これらの視点から、伝統や常識とされている事柄を疑い、考え直すことを通じて、現行日本法の理解を深めることを目標としています。

コースの特徴

現行法の具体的な規定や手続、判例などが「なぜ」そのようになっているのか、という点について、法哲学や法制史、法社会学、比較法学・外国法といった基礎法学の視点から把握し、実定法を深く理解する能力を身につけるために、このコースは、基礎法学諸科目の履修を中心に、憲法、民法、刑法を中心とする実定法科目のほか、他学科科目、他学部公開科目から編成されています。このコースの履修を通して、履修者の法に対する多様なアプローチを可能とし、激しく変動する社会の中で、法の創造や発見を行い、紛争解決手段を見出すための視点を獲得することを目標としています。

将来の進路

文化や社会を踏まえた上で、現行法の理解を深めるコースであるため、公務員、教育関係の他、一般私企業を目指す者に適しています。また、法とは何かということについて基礎法学的な観点から深く考えるため、研究者のほか、裁判官や弁護士、司法書士などの各種法律専門職を志望する者にとっても有意義なものとなっています。

履修科目

別表の「コース共通科目」に加え、①の番号が付されている基礎法科目、憲法科目については、履修することが強く求められます。②の番号が付されている科目は、現行日本法に関係する基本科目として、①の番号が付されている科目で学んだ知識をさらに深めるのに適する科目であり、履修することを推奨します。③の番号が付されている科目は、現代社会における重要な問題であるにもかかわらず、従来の法律科目では捉えることのできない科目であるので、履修することが望まれます。また、コース共通科目のうち、外国書講読を通じて各自の関心や希望に応じた外国の法や言語を学ぶとよいでしょう。

自由科目

他学科科目のうち、政治理論ⅠⅡ、日本政治思想史ⅠⅡ、ヨーロッパ政治思想史ⅠⅡ、日本政治史ⅠⅡ、アメリカ政治史ⅠⅡ、政治体制論ⅠⅡ及び他学部公開科目の哲学・歴史学関係の科目の中から、興味関心に合わせて数科目程度履修するとよいでしょう。