地域福祉から考える
このゼミでは次年度も、地域福祉をテーマに学びます。地域福祉をめぐる状況・国や自治体の政策を、ミクロ面とマクロ面の双方から考えていきます。それを通して、地域福祉にかかわる制度や政策動向をその背景と合わせて学びつつ、地域の比較的身近なところでおこなわれている多様な活動を、多角的に理解・考察する視点を身に付けることをめざします。
制度・政策の分類に基づくと、地域福祉には複数の分野がありますが、近年ではそうした分野を横断して、まちづくりとしての地域福祉を進めていこうとする動きも見られます。このゼミでは、分野を横断する視点を持ちつつ、子育て支援、高齢者福祉、自立生活支援、障がい者(児)福祉といった個別分野に注目することを通して、分野間の関係も考えられる視野の獲得をめざしています。
各回のゼミは、基本的に、文献講読とディスカッションを中心に組み立てられます。近年は記事紹介も行っています。ドキュメンタリーや映画などの視聴学習も組み入れています。秋学期の後半には、4月からの学習を踏まえて、ゼミ生が自分たちで選んだテーマについて調査し、その内容をゼミの時間に発表します。それによってリサーチとプレゼンの力を伸ばすとともに、年度のゼミ学習を締めくくります。
また、例年、外部講師を招いてお話を伺う機会を複数回設けています。これまで、福祉分野の地域活動(社会福祉協議会の活動など)、自治体の市民委員、災害時の福祉、ビジネスケアラー(仕事と介護の両立)、高齢者向け住宅政策といったゼミのテーマに直接的にかかわるものから、公私の保険、労災、財政といったテーマについて学外のかたからお話を伺いました。次年度も同様の機会をできるだけ設ける予定です。
その他にも、ゼミ生が中心になって内容を企画・運営する活動も設けるようにしています。各ゼミ生が企画・運営・調整の各面で協力しつつ主体的に参加することを通して、文献学習で得る知識を実際の多様な事例と照らし合わせて考えながら、さまざまな経験を積むことのできるゼミをめざします。
春学期・秋学期とも、文献講読や授業内調査とそれに基づくディスカッションを学習の主軸とし、秋学期はこれにグループまたは個人による調査報告とその準備が加わるのが例年の流れです。ゲストスピーカーからお話を伺う機会や、ゼミ生による企画も各学期に数回設ける予定です。夏休みについては、その内容をゼミ生が話し合って決めますが、近年は、自分たちで立てたテーマに関する日帰りの学外活動を行っています。その成果は夏休み明けにゼミで共有して知見を広げます。
主体的に参加し、関心を深めていく意欲のある学生さんの参加を期待します。
平常点100%で評価します。