教員紹介

高 友希子

教員紹介

ゼミのテーマ

英国の法と社会:歴史と比較の視点から

ゼミの目的及び概要

英国の法と社会を基本的な題材として、歴史的な視点からの考察・検討や日本との比較を通じて、物事を多角的に捉え熟考した上で他者へ発信していく力を涵養します。具体的には、文献・資料の徹底した調査・検討を通じて、①それらを正確に読み関連事項を調べる力、②調べたことを整理して報告する力、③討論を行う力、④レポート作成能力、の向上をはかり、論理的に思考する力の獲得を目指します。
扱う題材は、歴史と比較の視点を重視しつつも多岐に渡ります。すなわち、議会主権と法の支配、マグナ・カルタのように、法とは何かという問いを歴史的な視点から考察するものや、帝国支配と植民地の問題やコピーライトと独占の問題、信託のように法(制度)だけでなく背景となる政治・経済を踏まえて広い視野から検討を加えるもの、公文書問題や司法制度についての日英比較といった時事問題にまで及びます。また過去には、イギリス商事法の歴史についての理解を深めるために、日本における手形やクレジットカード、暗号資産(仮想通貨)などの資金決済に関する法や制度を学び、歴史と比較の両方から検討したこともあります。
このように常に多様なテーマを扱ってきているため、法分野を限らず幅広く学びたい方や自分で興味を持ったことをとことん突き詰めてみたい方に適しています。

ゼミの年間計画(合宿などを含む)

毎回、担当グループがサブゼミを行った後に、授業で報告をし、それを受けて全員で討論します。普段のゼミでは、グループ単位で報告しており、春学期は2年目以降の学生がフォローしながら進めていくので、毎年多くの学生が、ゼミに入ってからの半年間で大きな成長を遂げています。世界史の知識は、ゼミの勉強をする中で自然に習得できるので、事前の知識は問いません。また、テキストは日本語のものにしており、調査段階で英語の文献を扱うことはありますが、積極的に活用するかどうかは各自の判断に委ねています。 春学期は文献や判例の精読を中心に進めて、ある程度力のついてきた秋学期後半にはテーマ選択から構成に至るまでのすべてをグループ・メンバーで協力しながら作り上げていくグループ研究発表を行います。より広い視点から物事をみるために、他大学や他学部と合同ゼミを行うこともあります。 その他、例年、年に2回(夏と春)のゼミ合宿や年末の歓送迎会、折に触れて懇親会を開催しています(それらの企画・運営はすべてゼミ生が行っています)。OBOG会も毎年開催しており、縦のつながりの強いゼミでもあります。

学生へのメッセージ

高ゼミでは、様々なテーマに取り組みながら、「常識だとされていることに疑問を持ち、自らの手で徹底的に調べた上で、自分の頭でしっかり考えること」を通じて幅広で、かつ重厚な教養を身につけることを重視しています。同時に、ゼミ活動を通じて勉学だけでなく、社会性も養ってほしいと思っているため、普段のゼミ活動はもとより、合宿や入ゼミ選抜に至るまで、基本的に全員で話し合って決める方針で運営しており、学生はゼミの企画・運営を通じて、リーダーシップ/ロジスティクスの重要性も学んでいきます。ゼミ活動に全力で取り組むことで、自分自身の限界を引き上げ、社会で通用する確かな力を身につけることができると考えています。
普段何気なく接している法制度や社会におけるルールについて、いつもとは違う視点から見つめることで、常識だと思い込んでいたことを今一度、一緒に疑ってみませんか。高ゼミについて詳しく知りたい方は、公開ゼミや説明会にぜひお越しください。Webで『雑誌HOSEI』掲載の高ゼミ紹介記事もご覧いただけます(https://www.hosei.ac.jp/koho/zemi/160426/)。