教員紹介

杉本 和士

教員紹介

ゼミのテーマ

民事紛争解決のための法的諸問題の検討(民法と民事訴訟法の交錯)

ゼミの目的及び概要

 このゼミでは、判例や事例に関する検討を通じて、具体的な民事紛争に関する法的諸問題についての理解を深めるために、受講生が、具体的な民事紛争において生起する諸問題について実体法(民法)と手続法(民事訴訟法)の基礎知識を総合的に運用できる能力を身につけることを目標とします。
 実際に社会で起きている民事紛争を解決するには、民法や民事訴訟法の知識をバラバラに用いることだけでは到底通用しません。そこで、このゼミは、実際に生じる具体的な民事紛争を想定して、その解決に必要な知識をフルに活用する方法を身につけてもらうことを目標とします。具体的には、例えば次のようなテーマの事例を設定し、これに関する民法及び民事訴訟法に関する論点や裁判例について検討してきました。建物収去土地明渡請求訴訟に関する諸問題、不動産二重譲渡事例における所有権移転登記手続請求訴訟に関する諸問題、債権者代位訴訟に関する諸問題、交通事故訴訟(損害賠償請求訴訟)に関する諸問題、賃貸借契約終了に基づく不動産明渡請求訴訟に関する諸問題、貸金返還請求訴訟及び保証債務履行請求訴訟に関する諸問題、等々。
 …と、扱うテーマを羅列すると難しく感じると思いますが、差し当たり、ゼミに入る段階では、民法や民事訴訟法の知識がほとんどなくても構いません。このゼミを通じて、民法や民事訴訟法の基礎知識を(場合によっては、ゼロから)習得してもらうとともに、その知識を具体的な紛争・問題の解決に活かせるように、実際に社会で使えるリーガルマインドを養成することを目指したいと思います。

ゼミの年間計画(合宿などを含む)

 主に事例問題又は最高裁判例を題材として、民法及び民事訴訟法に関する基礎知識の理解の確認を行います。春学期は、教員作成の事例問題に関する検討を通じて、主に民法(+適宜、民事訴訟法)に関する基礎知識の確認を行い、秋学期は個別のテーマに関する裁判例(民法又は民事訴訟法)に関する報告及び検討を行う予定です。具体的な予定については、受講生と相談して決める予定です。
 また、例年、夏と冬にゼミ合宿(伊東・花巻)を実施しています(自由参加です)。合宿では、主に事例問題の検討を行うほか、就活等に向けた自己分析講評会を行っています。

学生へのメッセージ

 このゼミでは、大学生活の後半2年間における専門分野の学習・研究を通じて、大学生活において修得すべき素養と能力を身につけてもらいたいと考えています。例えば、就職活動の際に、「何となく、ここまで大学生活を送ってきたけれども…」というのではなく、法学部法律学科においていかなる学習に取り組んできたのか、また、そこで何を学んできたのかを自信をもって語れるように、ゼミでの学習・研究に積極的に取り組んで頂きたいと思います。ゼミ参加当初において民法や民事訴訟法について知識がなくても構いませんが、以上の目的を理解した上で、意欲的な学生の参加を期待しています。