経済学的思考に触れる
本演習は政治学科において唯一の経済系ゼミとして、「経済的なものの見方」を追究します。就職活動の早期化・男女間の賃金や昇進の格差・株価や為替の急激な変動・年金制度の維持・食糧やエネルギーの安全保障など、現代社会では、経済問題が前面に出ることが珍しくありません。
こうした現状の問題点から出発し、過去の制度・習慣にも目配りしながら、未来の日本像・世界像を描きたいと思っています。千代田区や自分の住んでいる地区の地域産業・個別企業などを任意に選び、集中的に学修することも考えます。
形式的には、次の3つの目標を置きます。短期:データや本に基づき、エクセル・パワポを用いた発表の技法を習得する。中期:就職活動を乗り切れるゼミ体験を充実させる。長期:社会人として通用し尊敬される自分の強み(competency)を発掘する。
2年生ではまず経済の基本書を読み、小グループで発表していきます。浅子ほか(2024)『新 入門・日本経済』有斐閣 をテキストに、戦後の日本復興からバブル経済、失われた30年まで、財政・金融・国際経済・環境・農業・社会保障・地方都市などの基本を学びます。
3年生は下級生の発表に支援・助言しながら、独自に「自分たちが最も興味あるテーマ」を選定し、自由発表を行います。例えば、投資信託と個別株、ふるさと納税の意義と問題点、急激な円安の意味、税金と社会保障費、衰退する産業と伸びる業界など。
また学内の山本卓ゼミとの交流(財務省などからの講演会)、学外のゼミと交流発表会もあります(四大学対抗戦の会場;ヴェリタス杯への参加)。
夏休みには法政大学の合宿施設(富士緑の休暇村)や山中湖などで一泊のゼミ旅行を行いました。秋には、証券取引所や日本銀行・貨幣博物館など、大学の近場で社会見学を行う予定です。その他、おりおりの食事会や、上級生・卒業生による就職アドバイスなどもあります。
経済学者ケインズの総合的な研究をしています。新潟に10年間、京都に19年間、イギリスに2年間、住んでいました。欧州を中心に、毎年、学会出張で海外に渡航しています。躍動するスポーツ、定評ある映画の鑑賞も好きです。ミステリは王道でしょう。雑談の合間に、上記のような話題も出るでしょう。「メリハリのあるゼミ」にしたいと、現在のゼミ生が言っていました。
オープンゼミなどで、実際にその雰囲気を確かめてください。
平常点(授業内における発表や発言、および学外ゼミ発表会や社会見学の参加など)