教員紹介

川口 由彦

教員紹介

ゼミのテーマ

幕末から明治末にいたる『公議体制』の探究

ゼミの目的及び概要

「文化」とは、人間が行う精神的営みの全体を指す言葉で、人間の意思(関係)を問題とする法も、当然この文化の一種だといえる。この演習では、日本においてみられる文化としての法を日常生活レベルから考察していきたい。
この演習では、江戸時代から近代にかけての法文化を分析した文献を読んでいくが、それだけでなく、視覚や聴覚に訴える素材を使って学習を行う。このような素材として、映画、ドラマ、ドキュメント、落語、講談等がある。また、演芸場や博物館等も東京にはたくさんあり、これらを見ることにより学習をより深めていく。
このような経験を通して、そこに様々な文化を読みとるという、楽しみながら法について考え、ディベートする演習としていきたい。文章をもとに討論するのも意味があるが、作者や演者の意図を横目でみながら、映像の中に「法文化」の徴表を拾い出すことは、きわめてスリリングな推理と論理の作業である。本ゼミは、こうした形のスリリングなディベートにより成立している。

ゼミの年間計画(合宿などを含む)

演芸場、博物館等での校外授業-3回
映像を見ての討論(映像は原則として映画。教育素材ビデオのようなものは使わない。)-6回 昨年見た映画「桜田門外ノ変」「柘榴坂の決闘」「壬生義士伝」「燃えよ剣」「長州ファイブ」等
本、論文を読んでの討論-19回

学生へのメッセージ

このゼミで行っているのは、簡単に言うと「法律学の解剖」です。憲法、民法や刑法の正体を歴史素材を使って暴いていく事に関心があれば、その驚くべき来歴を知ることができます。
初めのうちは、「何をやっているのかわからない」と思う人も多いのですが、2ヶ月間このゼミの雰囲気に親しむと、いきなり視界が開けます。歴史を知っている人も知らない人も興味があれば来てください。
「法律」という近代のイリュージョンがもっている「仕掛」を暴露する旅に参加してみませんか。