重要なお知らせ

デザイン工学部の学生のみなさんへ(緊急事態宣言発出を受けて、デザイン工学部長からのメッセージ)

  • 2021年04月26日
重要なお知らせ

デザイン工学部の学生のみなさんへ

 

2021年4月25日から5月11日まで、東京都を対象に新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言が発出されました。これに伴い法政大学では「授業は原則オンラインで実施し、実験・実習等の一部については、「3密」を徹底して避けることを前提に、感染拡大に十分留意しながら、引き続き対面形式で実施する」との方針をとることになりました。

この1年あまり、デザイン工学部の教員は、コロナ禍での教育・研究について試行錯誤しながら有効な方法を探してきました。マスクやフェイスシールドの使用、教室収容人数の制限、換気の徹底などにより2020年の夏季集中授業ではいち早く対面での演習を実施しました。これまで本学部の授業や研究活動に起因する新型コロナウイルス感染は報告されていません。しかしながら当初は十分な質の教育を提供できないケースもあったと思われます。また、2021年度の時間割で教室を固定的に確保しない授業を全て「オンライン」と表示したことによって、学部が対面授業の実施に消極的であるとの誤解を生んでしまいました。これについては率直にお詫びします。

デザイン工学部では全学方針に添いながら、コロナ後を見据え、対面授業とオンライン授業のよさを生かして授業を構成していきたいと考えています。その実現には、我々教員の努力とともに、学生のみなさんの協力が不可欠です。

今回の第4波は感染力の強い変異株ウイルスにより若年層の感染者が増えているとの報道があります。残念なことに本学部の学生が学部内の友人との飲食を通じて感染する事例が4月に入って増えており、その数は他学部よりもかなり多くなっています。学生のみなさんには集団での飲食を避け、慎重に行動することを強く要請します。

大学は学生のみなさんを拒んでいるわけではありません。Hoppiiで通知されている感染予防のルールを守れば、市ヶ谷田町校舎に準備されたスペースを利用してオンライン授業に参加することもできます。対面の機会やオンラインでのやりとりを通じて、学生と教員の信頼関係を築き、そして学生同士の関係を築ける機会を提供したいと考えています。

オンライン授業だからこその利点もわかってきました。デザインスタジオのオンラインエスキスでは、友人がどんな案を考え教員がそれにどんなコメントをしているかを知ることができます。市ヶ谷田町校舎の固定机の教室ではやりにくかったグループディスカッションはZOOMのブレイクアウトルーム機能を使って自由自在となりました。本当はちゃんと受けたい授業なのに友人に気兼ねして教室の後ろの方に座る必要もありません。

一方、1、2年生には大学をよく知り、友人関係を構築するために対面授業の要望が強いこと、逆に対面に不安を感じている方がいることも確認しています。緊急事態宣言終了後には市ヶ谷田町校舎の設備をできるだけ有効に活用しながら1、2年生に対面授業とオンライン授業が選択できる機会を確保することを重点的に進めます。気になることや不安なことがあれば躊躇なく教員や学部窓口、あるいは学生相談室に相談してください。

災害のたびに都市は新しい姿に生まれ変わってきました。東京は関東大震災からの復興で現在の都市構造のほとんどの形を整えました。そこには突然の災害にも関わらず短期間のうちに東京の将来像を構想した計画者・技術者たちがいました。東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた宮城県女川町では、町長のリーダーシップのもと、住民や専門家が議論を重ねて海とともにある新たなまちを実現させました。コロナはまた違った形で都市のありかたや人の暮らし方、人と人との関わり方を変えていくでしょう。これはまさにデザイン工学部が専門領域とするところです。いま社会で起きていること、我々自身が感じていることを題材として、ともに議論を重ねていきましょう。

 

2021年4月26日

法政大学デザイン工学部長 福井恒明