OB・OGインタビュー(2017年度)

公益財団法人 日本体育協会 地域スポーツ推進部 少年団課 富澤佑也 さん

  • 2017年05月30日
OB・OGインタビュー(2017年度)

プロフィール

公益財団法人 日本体育協会 地域スポーツ推進部 少年団課 富澤佑也 さん

公益財団法人 日本体育協会 地域スポーツ推進部 少年団課 富澤佑也 さん

富澤佑也(Yuya Tomizawa)さん

1990年埼玉県生まれ。2009年、スポーツ健康学部に1期生として入学。在学中にアスレティックトレーナーの資格を取得。2013年に公益財団法人日本体育協会に入会。地域スポーツ推進部少年団課で、国内のスポーツ少年団のとりまとめを行う他、ドイツの青少年との交流などを進める。

広く国民のためにあるスポーツ 幅広いスポーツの仕事を発信したい

スポーツ健康学部1期生として入学し、卒業後は日本体育協会で、スポーツ少年団をまとめる仕事に就いた富澤佑也さん。これから日本のスポーツには、幅広い人材が求められているため、スポーツ健康学部の後輩たちに期待していると言います。

ドイツスポーツユーゲントとの 交流で母校を訪問

2015年にドイツのスポーツユーゲントの役員が来日した際、スポーツ健康学部の訪問をコーディネート。教員との意見交換や学生との懇談の場を設けた

2015年にドイツのスポーツユーゲントの役員が来日した際、スポーツ健康学部の訪問をコーディネート。教員との意見交換や学生との懇談の場を設けた

2013年に日本体育協会に就職し、地域スポーツ推進部少年団課に配属されました。日本体育協会は日本のスポーツ競技団体および各都道府県の体育協会を統括する団体で、国民体育大会を開催するなど日本のスポーツの総本山ともいえる組織です。その中で地域スポーツ推進部少年団課は、名前のとおり地域に根差して活動するスポーツ少年団をとりまとめている部署で、約3万2000の団と約70万人の団員が登録しています。同課に配属されて以来、国際交流の業務を担当しています。

日本のスポーツ少年団はドイツのスポーツクラブをモデルにしており、ドイツとの交流が深く、毎年夏に両国の団員を派遣し合う同時交流や、秋には役員や指導者を招いての指導者交流を行っています。

2年目の2014年には、同時交流のスタッフとして訪独し、3年目と4年目には受け入れ側として携わりました。ドイツのスポーツユーゲントは9万以上のクラブと1000万人以上の会員数を誇り、地域に根差した活動においても先進的です。実際に交流を深める中でこれからの日本の青少年スポーツの発展には、競技団体同士の横のつながりをより深めていくことが大切だと教えられました。

2015年秋の指導者交流では、スポーツ健康学部を訪問しました。その中で学生と直接交流ができる場面を企画し、それぞれプレゼンテーションを行いました。学生からは日本のスポーツのリーダーやスポーツトレーナーをテーマにしたプレゼンテーションがなされ、ドイツの方からも大変興味深かったという感想をもらいました。交流後も学生とドイツの指導者との交流が続き、学生の一人はそれを縁にドイツ留学が決まりました。母校へ恩返しが少しはできたかなと思っています。

仲間と一緒に臨んだアスレティックトレーナー資格試験

アスレティックトレーナー資格試験に向けて一緒に勉強をした、ゼミ仲間と

アスレティックトレーナー資格試験に向けて一緒に勉強をした、ゼミ仲間と

高校のバスケットボール部での活動で、スポーツトレーナーに大変お世話になり、自分もアスリートをサポートする仕事に就きたいと考えていました。

高校3年生の時に、法政大学にスポーツ健康学部が新設されることを知りました。1期生となると先輩がいない不安もありましたが、逆に自分の考えで何でも挑戦できると考えて、入学を決意しました。

実際、学生と教職員の方々との距離の近さを感じることが多く、例えば、学部の行事やイベントも知恵を出し
合って、企画、運営を進めてきました。また、入学時に行う健康診断も学部の特色を生かして、身体機能やけがの状態の把握などを行うメディカルチェックを学生主体で実施しました。

コースは、アスレティックトレーナーの資格取得を主眼に置き、ヘルスデザイン、スポーツビジネス、スポーツコーチングの三つのコースの中から、身体機能を深く学べるヘルスデザインコースに進みました。アスレティックトレーナーの資格試験のためには、180時間の実習が必須で、医学、生理学などの専門知識も求められ、スポーツ関連資格の中では難関の部類に入ります。

授業が終わると、志を同じくするゼミの仲間と、学部棟内にあるアスレティックトレーニングルームにスタッフとして活動し、実習に明け暮れました。仲間と一緒に励まし合いながら資格試験に臨み、おかげで4年次に、私を含めて4人が合格できました。

大学で学んでいく中で、スポーツの仕事は多岐にわたることも知りました。就職活動に臨む際には、この学部でがんばればスポーツを仕事にできることを、1期生として証明したいと強く思いました。同時に、アスレティックトレーナーの存在価値を高めたいとも思っていました。日本体育協会がアスレティックトレーナーの資格管理団体だということを知り、同時に日本のスポーツを統括する組織で働くことで、広い視野でスポーツを見ることもできると考え、日本体育協会を志望しました。

幅が広がるスポーツ関連の仕事 スポーツ健康学部の後輩に期待

スポーツ健康学部は、自分の将来をイメージして入学する学生が多いと思います。スポーツ健康学部は、そのためにやりたいことや、やらなければならないことができますし、その支援体制が充実しています。

現在、社会人としてスポーツに関わる中で、スポーツに関する仕事は幅が広く、今後もニーズが高まることを実感しています。スポーツ関連の仕事には、プロスポーツやスポーツジムなど現場のイメージが強いかもしれません。しかし今後は、競技団体や自治体、用具や製薬、食品などのメーカー、医療など、さまざまな立場でスポーツに関する専門的な知識を持った人材が求められていきます。

2020年には東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、日本のスポーツに対する意識や関心は間違いなく高まります。スポーツがトップアスリートだけのものではなく、広く国民のために存在することを発信し、スポーツ活動をサポートすることが重要になります。そして、それを担う人材として、スポーツ健康学部の後輩たちに大いに期待しています。

(初出:広報誌『法政』2017年度4月号)