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東日本大震災から7年目を迎えて

2018年03月11日

2011年3月11日の東日本大震災から7年がたちました。今年もまた、震災や震災関連死で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方々の悲しみに、思いを馳せております。避難先や仮設住宅での不自由な暮らしを今もなお続けておられる方々、災害によって生活と経済の基盤を大きく変えられた方々、病にみまわれ、あるいはご自身や子供たちの病気の不安を抱えておられる方々、そして、いわれのない差別を受けている方々に、心を寄せております。

巨大地震、大津波、そして原発災害という3つの災害を、同時に日本は体験しました。地震だけでなく、豪雨、豪雪などの気候変動からも、私たちは生活を守る必要に迫られています。これらのことは、日本のどの地域に暮らしていようとも、人ごとではありません。東日本大震災を年月と共に忘れゆくことで、日本はこれらのことに対応する新しい価値観や社会の構築機会を、逃しかけているような気がしてなりません。

原発災害は核問題のひとつです。そのことを常に思い出す必要がありますが、この1年の日本はどうだったでしょうか。
核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞につながった、国連における核兵器禁止条約には賛同しませんでした。また今年に入ると、NPR(核態勢見直し)による、新型核兵器の開発に踏み切った米国を、高く評価しました。 

法政大学は「持続可能な地球社会の構築」をミッションにかかげ、「自由を生き抜く実践知」を大学憲章としています。「文明災害」としての東日本大震災の意味を、毎年、考えたいと思います。人間の自由をはばむ文明災害を回避し、サスティナビリティを現実のものとするために、私たちは何ができるでしょうか?

3月11日を、法政大学の学生・教職員が自らの学習、議論、研究、仕事、働き方、そしてこの日本社会のありようを熟考する日とし、ともにその記憶を受け渡す日にして欲しいと願っています。


法政大学総長 田中優子