2019年より進めている法政大学現代福祉学部・佐野ゼミとスポーツ健康学部・吉田ゼミによる「インクルーシブスポーツ・プロジェクト」が、2026年1月13日、ベトナム・フエで行われました。当初は「世界メンタルヘルスデー」に合わせ2025年10月の実施を予定していましたが、現地の洪水被害により延期を余儀なくされ、この度の開催に至りました。
本活動は、大学内で廃棄予定となっていたスポーツ用品を有効活用し、障害の有無を問わず誰もが交流できる場を創出する国際協力の活動です。今回、初めて「メンタルヘルス」「精神障がい」に焦点を当てて 、国立フエ科学大学およびフエ精神病院と協働で行いました。
今次活動の目的は、ベトナムの社会課題の一つである精神保健に対する偏見の改善、メンタルヘルスを「自分ごと」として捉える意識の創出、そして福祉に関する日越間の意見交換の場を創出することです。
現地では主に二つのプログラムを実施しました。
一つ目は「フエ科学大学交流イベント」です。クイズアプリ「Kahoot!」を用い、福祉をテーマにしたクイズ大会を日越混合チームで行いました。両国の福祉制度の現状や精神障がいへの理解など、異文化交流を通じて福祉とメンタルヘルスに関する知識を相互に深めることができました。
二つ目は、フエ精神病院での「ヨガ企画」です。メンタルヘルスケアと親和性の高いヨガを取り入れ、学生が一から企画したプログラムを、作成した動画に合わせて当事者と共に行いました。使用したマットや靴は、廃棄予定品を洗浄・クリーニングした上で寄贈し、活用していただきました。
本プログラムを通じ、言語や障害の壁を越えた交流と、両国の福祉・メンタルヘルスへの相互理解を実現できました。今後はインクルーシブスポーツを通じた新たなアプローチを模索し、より意義の深い活動ができるようチーム一同精進するとともに、この経験と学びを後輩たちへ継承し、支援していきたいと思います。
以下に参加したメンバーのコメントを記載します。
伝統ある「インクルーシブスポーツプロジェクト」に参加し、様々な困難を乗り越え無事に成功でき、大変嬉しく思います。
この成功は、フエ科学大学や精神病院の関係者の皆様、ならびに現地の学生・患者の皆様の多大なるご協力のおかげです。心より感謝申し上げます。現地では障害の有無や言語の壁に直面し、もどかしさを感じる場面もありました。しかし、プログラムを通じて心を通わせ、壁を越えた貴重な学びと経験を得られました。
この活動が、ベトナムの社会課題である精神疾患への偏見を和らげ、メンタルヘルスを「自分事」として捉えるきっかけになればと願います。今後もインクルーシブスポーツを通じた国際交流により、社会課題にアプローチし続けられるよう、この経験を糧に精進してまいります。
現代福祉学部 福祉コミュニティ学科 3年 宮下快偉
佐野ゼミ・吉田ゼミの先輩方から引き継いできたこのインクルーシブスポーツプロジェクトを、私たちの代でも様々なトラブルを乗り越えながら海外の現地で無事に実施することができ、大変嬉しく思います。
プロジェクトの実行にあたり、フエ科学大学の教員の皆様、そして当日参加してくださった学生の皆様、何より交流を快く受け入れてくださったフエ精神病院のスタッフおよび参加者の方々に、心より感謝申し上げます。
言語や文化の壁がある中でも、ヨガアクティビティやクイズゲームなどを通して、障害の有無を超えた交流が実現できたと感じています。来年度は今回の経験を活かし、より一層密度の高いインクルーシブスポーツプロジェクトを実施できるよう、チームのメンバーと協力しながら精進していきたいと思います。
現代福祉学部 福祉コミュニティ学科 3年 相場つぐみ
メンタルヘルスをテーマに法政大学生とフエ科学大学の学生が活発に意見交換を行い、相互理解を深めることができました。英語での進行は入念な準備や臨機応変な対応が求められ、心を込めたコミュニケーションの大切さを学ぶ機会となりました。
日々、福祉を学ぶ中でも非常に貴重な経験でした。現地で病院と信頼関係を築いてくださった多くの関係者の支えによって実現したことを実感しています。言語が通じなくとも、同じ動作や空間を共有することで心が通い、自然と笑顔が生まれる瞬間に触れ、スポーツの持つ力を改めて感じました。今後もインクルーシブスポーツを通じて学びを深めていきたいです。
現代福祉学部 福祉コミュニティ学科 3年 西谷まりな
まず、現地の災害により断念したイベントを実現できたことは、フエ精神病院の皆様、フエ科学大学の学生・教職員の皆様のおかげです。感謝申し上げます。
交流会では、同じようにソーシャルワークを学ぶ若者として、互いの国におけるメンタルヘルスの在り方を考える、有意義な時間だったと感じます。そしてヨガのイベント後、参加された皆様と『精神病院がより開かれた環境となり、人々に精神障がいを身近に感じてほしい』という強い想いを共有することができました。
今後も、国境や障がいを超えた今回のような取り組みを継続していけるよう、学びをさらに深めてまいります。
現代福祉学部 福祉コミュニティ学科 3年 鈴木夢乃
ベトナム・フエで、社会課題に向き合ったこの活動は、かけがえのない経験となりました。悪天候による突然の日程変更もあり、決して順調ではありませんでしたが、その都度臨機応変に、多くの人と試行錯誤しながら乗り越えることができました。また、現地の方から頂いた感謝の言葉は大きな喜びでした。
ベトナムにおいて精神障がいを持つ方々への偏見が、少しでも和らぎ、出会った方々が、心身ともに健康でいられることを願っております。日程変更によって現地に行けなかったメンバーの協力、多くの方々のご支援があったことで実現した活動です。関係者の皆様ありがとうございました。
スポーツ健康学部 スポーツ健康学科 3年 細澤憲裕
I find the recent exchange program between Hosei University and Hue University of Sciences to be extremely interesting and wonderful. It helps us learn, interact with one another, and gain a deeper understanding of the field of social work as well as the role of social workers in both countries. Therefore, I hope there will be more exchange programs like this in the future.
フエ科学大学 Sociology and Social Work学部 1年 Thanh Thảo
HUSC(フエ科学大学)でこのプログラムを企画していただき、ありがとうございました。素晴らしい、そしてとても興味深いプログラムでした。日本のメンタルヘルス、そしてメンタルヘルス全般について、非常に役立つ情報を提供していただきました。
また、メンタルヘルスの問題を抱える方々にとって非常に役立つ簡単なアクティビティもいくつか学びました。本当にありがとうございました。
フエ科学大学 Sociology and Social Work学部 4年 Lê Văn Giáp
フエ科学大学 クイズ企画
ヨガ企画 旗作成の様子
フエ科学大学 ヨガ企画
多摩事務部多摩事務課
tamagakumu◎hosei.ac.jp
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