10月3日(金)、多摩キャンパスにて成瀬高校との交流会を開催しました。交流会では、高校生が「総合的な探究の時間」に取り組む研究課題に対して、本学学生が自身のゼミ活動などの経験を活かしてアプローチしました。今回は現代福祉学部佐野竜平ゼミの学生と多摩オープンキャンパスリーダーズに所属する学生が参加し、学生による講座やゼミ体験、グループ別個別面談を通じて、高校生と学生が近い距離で課題と向き合いました。
以下、現代福祉学部佐野竜平ゼミの学生からのコメントを掲載します。
私たち法政大学現代福祉学部佐野ゼミでは2024年度に引き続き、2025年度もベトナム産草ストローに関連する取り組みを成瀬高校に紹介しました。
私たち佐野ゼミでは、「アジアの障害インクルーシブな国際協力・開発」をテーマに、SDGsの17の開発目標の達成に関連した具体的な実践活動を行っています。人馬双方の健康で幸福な暮らしの実現をはかる人馬のウェルビーングやフェアトレード商品の開発・普及など、3年次ゼミでは5つのプロジェクトを進めています。その1つが草ストローです。
ベトナムでは、学校卒業後の障がいのある子どもが働く場所がなく、生計を立てていきにくいという課題があります。この現状を打破するため、当事者とともに親御さんが環境と障害に優しい「草ストロー」を掲げた取り組みを始めました。十分な理解が得られない中、ゼミの活動として「日本においてどう広めるか」について考えることとなりました。高大連携企画も、その一つとして行っているものです。
草ストローはベトナム南部に生えているイネ科の植物から作られており、環境に優しいです。更に、障がいのある方が携わっていることからSDGs目標10「人や国の不平等を無くそう」にも寄与しています。草ストローの認知を広め、多くの人の手に渡るようにすることで、「インクルーシブ社会」の実現の一歩になると考えています。
今後、草ストロー使用前後のストーリーを通じてその価値を伝え、多くの人に手にしてもらえるように努めていきたいです。
佐野竜平ゼミ所属
海上 紗慧
(現代福祉学部福祉コミュニティ学科3年)
2025年10月中旬、現代福祉学部佐野ゼミの「草ストローチーム」が高大連携企画を行いました。今回のメインテーマは、「草ストローの魅力をどのように伝えるか」でした。高校生が中心となってアイデアを考え、その補助を大学生がすることによって高校生の"主体性"を磨く活動になりました。高校生は、限られた時間の中でどのように伝えれば人々の心に草ストローの魅力を伝えられるのかを何度も話し合いを重ねていました。プレゼンテーションの構成やキャッチーなフレーズ作成等を意見を出し合いながら、高校生とは思えない思考力とアイデア発想で素晴らしい発表を聞くことができました。
具体的には、草ストローを作る過程で出る草の部分を、動物のエサとして再利用するというアイデアが挙げられました。また、使った草ストローを無駄にせず自然に戻す仕組みを考えるなど、環境へのやさしさを伝える工夫が見られました。
探究活動ということで、本人が探究したい事柄について大学生が深掘りして話を聞く形を取りました。探究活動の本質は、答えを出すことではなく、“問い続けること”にあります。今回の経験を通して、自分の興味や関心をさらに深め、新たなテーマや視点を見つける力を養うきっかけになれればと願います。情報の整理、実験やアンケートなどを通して、仲間と協力しながら課題を深めていく姿は素晴らしかったです。探究を進める中で、思い通りにいかない場面もありましたが、その一つひとつの経験が次の学びにつながり、粘り強く考え抜く力を育てていると感じました。同時に、自ら考え、行動し、学び続けようとする気持ちの大切さを確認できました。
これからも大学生と高校生が一緒になって身の回りのことに関心を持ち、自分の思いを形できるようにチーム一同で新たな企画を生み出していきたいです。
佐野竜平ゼミ所属
平野 なつみ
(現代福祉学部福祉コミュニティ学科3年)