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鶴岡康夫講師(応用植物科学科)が一般社団法人農業情報学会、論文賞BestPaperAwardを受賞しました

  • 2024年06月20日
  • 受賞
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2024年5月25日(土)に鶴岡康夫(応用植物科学科)が(一社)農業情報学会の論文賞Best Paper Awardを受賞しました。
受賞した論文は「水稲生育予測システム「でるた」の利用者受容態度とイノベーション属性(農業情報研究 第32巻第2号)」です。
この論文は、農家の人たちに、「田に植えた水稲の今後の生育(育ち具合)を予測し、情報として伝える」ために、千葉県が開発し運用している、スマートフォンで利用できるアプリを基としています。このアプリは、その年の気象データと水稲の生育モデルを用いて、穂が出る時期や収穫できる時期を予測し、それを情報として農家に伝えることがきます。論文では、その情報を農家の人たちがどのように利用し、役立てたのかを調査しまとめました。
近年、日本の稲作農業では、農家の大幅な減少が起きています。その結果、残った農家の人たちにその農地が集まり、急な大規模化が進んでいます。
調査では、一つの農家の田の数が何百となること、また、栽培期間を長くするため、いろいろな品種を長い期間にわたって育てるようになり、今までと同じように、田に植えた水稲をこまめに観察ができなくなってきていること、また、これまでの経験とは違う極端な異常気象が多くなり、水稲の生育を把握することが難しくなっている実態がわかりました。
アプリを利用することで、水稲の生育予測を客観的な情報として知ることができるようになり、病害虫の防除、追肥、収穫などの農作業の計画と実施が、その年の水稲の生育に合わせた最適な時期にできるようになることがわかりました。また、若い人たちへの農業技術の継承にも役立つことがわかりました。こうしたアプリをはじめ、農業生産をスマート化することが今後ますます求められます。この論文では、農業の情報化の在り方について一つの方向性を示すことができました。
(論文の参照先:https://www.jstage.jst.go.jp/article/air/32/2/32_46/_pdf/-char/ja

鶴岡先生は応用植物科学科の専任講師として所属しています。
※所属、身分、学年は発表当時のものです。

   農業技術マネジメント研究室(鶴岡康夫講師):入試情報サイト