お知らせ

中野 久松名誉教授がアンテナ伝播国際シンポジューム(ISAP)にてプレナリー講演者感謝賞を受賞しました

  • 2023年12月11日
  • 受賞
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■受賞論文名

 Radiation Field from a Metaloop Antenna with a Traveling Wave Current.

■受賞学会名,会議名

アンテナ伝播国際シンポジューム(ISAP)

■受賞名

プレナリー講演者感謝賞

■受賞日

2023年10月31日

■研究内容の概要

時計の秒針の動きは、朝も夜も同じであり、右回転です。朝に右回転し、夜に左回転する秒針にはなっていません。似たことがこれまでの古い型のアンテナについても言えます。
ある場合において右回転の電波を出し、別の場合において左回転の電波を出すようなアンテナはありません。つまり、古い型のアンテナから出る電波の回転は、特別な工夫をしない限り、右回転または左回転のいずれか1つに限られています。この限界を超えるために、今回、新しい原理を用い、「アンテナ1個であっても、場合に応じて、右回転と左回転の電波を放射できる」ようにしました。発表論文は、この新しい型のアンテナについての理論を述べています。「電波は、特別な状態において、これまでの2倍の強度を持つ」ことも明らかになりました。

アンテナは情報通信化社会の要となっています。自動車ナビゲーション装置、スマートフォン、買い物や乗り物用の電子カードなどを分解すると、小さなアンテナが見つかります。自動車ナビでは、人工衛星からの電波をアンテナで受けて、現在の位置を割り出します。この電波は回転しながら進みます。回転する電波の有効性は、すでに学術上から判明しています。今回の新しいアンテナは、自動車ナビに限らず、人工衛星を利用した通信に広く応用できます。たとえば、防災通信などへの応用。本アンテナは、その優れた能力から、情報通信の高度化に貢献するものとして期待されています。