PickUP

理工学部経営システム工学科卒業生の井上 航さんがGraduate Student Paper Competition Awardsを受賞しました

  • 2023年10月03日
  • ゼミ・研究室
  • 卒業生
PickUP

理工学部経営システム工学科卒業生の井上 航さん(五島洋行研究室)が,2023年9月11日~14日にベトナム・ホーチミンで開催されたIEOM(Industrial Engineering and Operations Management)国際会議で研究発表を行い,大学院生部門の論文コンペティションでGraduate Student Paper Competition Awardsを受賞しました。

大規模河川の流域や低地帯に位置する大都市では,集中豪雨による浸水被害の発生リスクが年々高まっています。自治体が作成・配布するハザードマップは,DEM(数値標高モデル)データを用いて想定浸水高を計算したもので,実際に避難勧告や避難指示が出た際に,避難経路上の道路が利用できるかどうかや,道路が渋滞・混雑するかといった要素は考慮されておらず,経路の選定に適しているとはいえません。当該研究では,DEMデータと道路ネットワークデータの両方を用い,堤防の越水や決壊などいくつかの災害シナリオを想定し,災害発生時に避難経路としての道路使用の可否や,避難不可能な孤立地帯の有無,指定避難所への到達が可能か否かなどを判別しやすい,新たな種類のハザードマップの提案と試作を行いました。

自治体の指定避難所の中には,河川氾濫などの水害発生時に浸水が予想される避難所もあり,実際に災害が発生するとそうした避難所は利用不能になる可能性が高く,別の避難所を選択しても,それらが道路の浸水によって到達不可能,あるいは大きな迂回が必要になることもあり得ます。標高や想定浸水高を考えるだけでなく,避難道路の使用可否や混雑度も考慮したハザードマップを作製することで,避難先とルートの両方を考慮した「避難シナリオ」を,事前に計画することができるようになります。

井上さんは現在,理工学研究科システム工学専攻(経営系)に在学中です。