理工学部機械工学科の柄澤秀親教務助手が日本材料科学会にて奨励賞(末澤賞)を受賞しました。
チタン系材料は近年、航空機の構造材料として注目されており、特にTi-6Al-4Vは航空機に広く用いられているチタン合金です。
Ti-6Al-4Vの耐サンドエロージョン性や耐バードストライク性についてはいくつかの先行研究がある一方で、他のチタン系材料に関する研究はほとんど見られませんでした。
こうした背景を踏まえ本研究では、サンドエロージョン試験、軟体衝突試験および軟体衝突解析の3種類の手法を用い、チタン系材料の異物衝突性能について体系的に検討しました。
その結果、チタン系材料の中でもTi-15V-3Cr-3Sn-3Alが優れた異物衝突性能をもつ材料であること、また材料の降伏応力に及ぼすひずみ速度依存性が異物衝突損傷の主たる要因であることを明らかにしました。
本研究によって、航空機用材料としてTi-15V-3Cr-3Sn-3Alが従来の用途に留まらず、今後幅広く用いられることが期待されます。
また、本研究ではチタン系材料のサンドエロージョン環境下における損傷量予測式も提案しており、航空機用途のみならず、ヘリコプター、自動車、新幹線などの輸送機械や粉体輸送など、幅広い分野への応用が期待されます。
なお、論文投稿時は理工学研究科機械工学専攻博士後期課程に在学しており、指導教員の新井和吉教授も表彰されています。
◆授賞学会名・会議名:日本材料科学会
◆受賞年月日:2025年5月29日
◆受賞名:奨励賞 (末澤賞)
◆受賞論文名:航空機におけるチタンおよびチタン合金の異物衝突損傷(理工学研究科機械工学専攻博士後期課程在学時に論文を投稿されました)
◆指導教員名:新井和吉教授(理工学部機械工学科)