理工学部電気電子工学科卒業生の小林 愛佳さん(笠原崇史研究室)が電気学会 電気学術女性活動奨励賞を受賞しました。これは、東京支部管内の学校に在籍する学部を卒業する学生会員の中から、電気工学を修めた優秀な学生を表彰するものです。
小林さんは現在理工学研究科電気電子工学専攻に在学中です。
◆受賞名
電気学術女性活動奨励賞
◆授賞学会名
電気学会
◆受賞日
2023年3月31日
【研究内容】
小林さんは溶液系電気化学発光(以下、ECL* という)素子の高輝度化・高効率化に向けた研究を行っています。
ECLは有機半導体分子の酸化還元反応を利用した発光現象です。
学部時代には、有機半導体分子への電子注入を促進させるために微小液滴塗布技術により、陰極上に金属酸化物ナノ粒子の成膜法を検討しました。
その結果、試作した素子からルテニウム錯体のECL発光を観測し、2023年3月に国内学会で口頭発表を行いました。
*Electrogenerated chemiluminescence
【本研究の改善と社会への応用】
ECL素子は、発光性溶液を2枚の電極(陽極・陰極)で挟むだけの極めて簡易な構造の自発光素子です。
しかし、実用化されている他の自発光素子(LEDや有機ELなど)と比べ性能が劣っており、その改善が求められていました。
ECL素子を高輝度・高効率に発光させる技術を発展させることで、溶液の流動性を利用した、新たな形態のディスプレイデバイスの応用が期待されます。
電気電子工学科・笠原崇史研究室ではデバイス作製および材料開発の両方の観点からECLの研究を進めています。