教員紹介

今泉 裕美子ゼミ

教員紹介

「関係」を問い直し、つむぎだす

国際「関係」学

担当教員 今泉裕美子教授

ゼミ研究テーマ 国際関係学

関心あるテーマを、人類の長い年月とエネルギーをかけた歩みの中で、また、同時代に起きているさまざまな現象との関係のなかで追究します。無自覚にもその上であぐらをかいてきた現代世界認識を突き崩し、再構成するには、自分が多くの対象から働きかけられている存在であると同時に、働きかけている存在だと自覚すること。現代世界を生きる自分(たち)の立場性と可能性を、感受性のアンテナしなやかに、徹底的に調べ、議論し、考え、論文化するを基礎に、ゼミ生同士の関わりあいの中で学びます。

学生インタビュー(国際文化学部 Nさん)

Nさんにとってゼミとは?

授業で自分が興味を持ったことを掘り下げ、考察し、そして研究する機会を与えてくれるものです。普段の授業で学んだ内容に興味を持っても、自分で深く調べたりすることはあまりしていませんでした。しかしゼミに入ってからは、ゼミの話し合いの際に持ち出したり、先生に聞いたりすることによって、自分で学ぶことの楽しさを知るきっかけになりました。

今泉先生はどんな先生ですか?

先生の専門は主に「国際関係学」「南洋群島」「沖縄」「植民地研究」です。データや研究に基づいた、丁寧な講義をされているように、とても真面目な方です。知識の幅がとても広く、また先生の専門領域外の内容でも親身になって相談に乗ってくれ、しっかりと卒業論文の指導をしてくれます。沖縄料理、泡盛が大好きです(先生が飲み会に差し入れてくれる泡盛は絶品)。

ゼミではどんなことを学んでいますか?

ゼミでは「国際関係とは何か」ということを勉強しています。ゼミ生の興味や関心に沿って選んだテキストを読み解き、議論を重ねることで、国際関係についての理解を深めています。ちなみに、2007年度テキストは、主に鈴木亮『日本からの世界史』と百瀬宏『国際関係学』でした。その勉強の過程の中で、レジュメの作り方、議論の際に投げかける議題の出し方、議論の方法といった、研究を進めるうえで必要なスキルも磨いています。

キャンパス以外で活動することはありますか?

各セメスターに1回、ゼミ合宿があります。2007年の秋は1泊2日で河口湖に行きました。そのほかには、自由参加の沖縄研修旅行や他大学のゼミとの交流もあります。また、先生の調査・研究旅行に同行させてもらえることもあります。総じて、さまざまな方との「出会い」が多く、その「出会い」を大切に活動しています。たくさんの方と知り合い、関わりながらお互いが何かを得ていく…。そのような経験を、キャンパス外の活動を通じて重ねています。

ゼミ活動での一番の思い出は何ですか?

最初のゼミ合宿が一番の思い出です。朝から晩まで、目一杯時間をかけて吉見義明『従軍慰安婦』を読み解き、暇さえあれば議論をしていました。1泊2日というタイトなスケジュールの中で行ったためとても大変でしたが、ゼミで勉強する楽しさと奥深さを一度に学ぶことができました。問題を理解し、どうすればよいのかを考え、互いに議論しあうというのはとてもエネルギーの要ることでした。 それでも、やり終えた後の達成感は格別なものがありました。「これから、もっとがんばっていこう!」と思えた、大きな合宿でした。

卒業研究はどのようなことをする予定ですか?

入ゼミ当時はタイにおける買売春と地域文化と宗教の関係性について研究しようと思っていたのですが、今は現代女性史・男性史からフェミニズムを考察する、という研究をしています。ゼミの中には「フィリピンのストリートチルドレン」「サッカーからみたナショナリズム」「中国黄土高原にみる女子教育」など、幅広い分野の研究が行われていますが、一見まったく異なる研究でも話し合いの最中にお互いの研究内容に意外な接点を見出せます。皆で疑問やアイデアを率直に出し合い、卒業研究のためにいい刺激を受けることができます。