環境報告書

　本学は、地球環境問題の解決に向けた決意表明・宣言として、1999年に「環境憲章」を制定し、一部の校舎でISO14001の審査登録を行ったことを起点に、2017年度には本学独自の法政大学環境マネジメントシステムを全学的に構築し、環境教育・研究、環境保全活動を展開しております

　「法政大学環境報告2022」表紙には、「えこぴょん」の仲間としてさまざまな生物が登場します。例えば、用紙の原料を供給する森林には、二酸化炭素を吸収し、炭素を蓄積する樹木や草花を始めとした植物が生育しています。また、「えこぴょん」の仲間の兎のように森の草や実を餌にし、樹の幹や土の中には昆虫、微生物を始めとした生物が生息しています。一方、我々人類の生活が豊かになるにつれて、森林は急速に減少し、生物の豊かな生息環境が脅かされていることに、「えこぴょん」も胸を痛めています。

　「法政大学環境報告2022」においては、数多くの「環境マネジメントプログラム」の中から、一つ一つの行動と自然とのつながりを意識して我々が暮らす「かけがえのない地球」の謎に迫った「第23回環境展 －この秋、たまには夜空をみあげながら一人ひとりができること－」の出展者の皆様や「環境月間特別企画」講演会の講師の皆様より原稿をお寄せいただきました。多大なご協力を賜りましたみなさまには厚く御礼申しあげます。

　法政大学環境センターは、2020年冬に出現した新型コロナウイルス感染症への対応を通して、これまで以上に、快適さを意識し、「大学生活の充実」と「健康増進」と「地球環境問題の解決」を同時に目指し、諸機関にご協力いただきながら、法政大学EMSの運用方法の改善を重ねてきました。例えば、OECD 「BASIC」アプローチや「ナッジ」を活用して大学構成員の「行動変容」を促しながら、「サステイナブルキャンパス実現に向けた活動」や、《「えこびょん」とともに学ぶ「環境教育・カリキュラム」》等を実施し、一つ一つの行動と自然とのつながりを意識して我々が暮らす「かけがえのない地球」の謎に迫りました。

　こうした成果が認められて、2022年12月、法政大学環境センターは、「一つ一つの「行動」と「自然」とのつながりを意識して、「えこぴょん」と一緒に迫る我々が暮らす「地球」の謎」をテーマにした取り組みがサステイナブルキャンパス推進協議会主催「サステイナブルキャンパス賞2022」学生活動部門を受賞しました。また、2023年2月、法政大学環境センターが事務局を務める「法政大学屋上緑化維持管理プロジェクト」は、新宿区主催「第16回新宿エコワン・グランプリコンテスト」グループ部門において奨励賞を受賞しました。現在、プロジェクトの活動拠点である「グリーン・テラス」は、学生・教職員の「憩いの場」から、庭園内のひょうたん池には絶滅が危惧されているクロメダカが泳ぎ、樹木や草花が育ち、鳥や蝶を始めとした「生物が生育・生息する空間」としてのこだわりが詰まった「法政大学で最愛の庭園」へと広がりを見せています。

　2023年6月、法政大学環境センターは、環境月間特別企画として、気象業務に関する技術の改善・高度化のための研究・開発を担う「気象研究所」及び「高層気象台」を訪問し、気温、湿度、風などの気象要素を連続的に観測する気象観測器を吊り下げて軽い水素ガスを詰めて空に飛ばすラジオゾンデを用いた高層気象観測を見学する貴重な機会となる“こだわりの詰まった”エコツアーや一つ一つの「行動」と「自然」とのつながりを意識して「えこぴょん」と一緒に我々が暮らす「地球」の謎に迫ることを目指し、国土交通省より講師をお招きし、「日本の国土と生物多様性の保全」をテーマにした講演会を企画しました。

　この他、環境月間には、法政大学環境センターは、我々の暮らしにおける一つ一つの「選択」とSDGsの重要課題との関連性を身近に考えることができるように、地球規模の海洋汚染の一因となっている「海洋プラスチックごみ」削減をテーマに、本学学生の皆さんがどこにいても参加できる「えこぴょんと海の豊かさを守る大作戦」を開催します。

　我々が暮らす「かけがえのない地球」においては、通学・通勤、実験、授業、研究、課外活動、買い物、食事に至るまでの「活動シーン」毎に、我々人類の一つ一つの「選択」と「行動」が遠く離れた「地球のどこかで」にもたらす影響は大きく異なります。これからも、一つ一つの「行動」と「自然」とのつながりを意識し、大学生活を充実させながら、健康的に、地球環境問題を解決することを目指します。本報告書がそのようなきっかけとなることを願います。

　「法政大学環境報告2022」の電子データはこちらからダウンロードできます。