理工学部機械工学科 川上忠重教授研究室で、エネルギー変換工学を学ぶ学生を取材。研究室全体でカーボンニュートラルへの貢献を目指し、高効率な内燃機関の研究や既存燃料の改良に取り組んでいます。
川上研究室では、環境への配慮だけでなく被災地支援にも活かされる技術の研究も。3年次のPBL(問題解決型学習)では、太陽光で動くラジコンカーを使い、災害時など有事の際にどのように機能するかを実験。「得られたノウハウは、今後被災地における小型発電機・ドローンでの救援物資運搬など多様な支援活動に応用できると思います」と教えてくれました。
また、今回取材した二人の学生の主な研究テーマは、環境に配慮したエンジンなどの内燃機関や既存燃料の改良。「挑戦型研究」と呼ばれる、他と比べて先行研究の少ない分野に携わっています。今後画期的な発明につながる可能性もあり、やりがいを感じているそう。卒業研究として二人で協力し、軽量で馬力がありつつも、燃焼生成物が少なく環境に優しい「2サイクル水平対向エンジン」という画期的な新エンジンの試作研究に力を入れています。
「エンジンの開発に当たり、0.1㎜単位のズレをどう解消するか模索した日々が思い出深いです。調整に数カ月要しました」。シミュレーション上では正しく設計できているのに、実際に組み立ててみると動かないと苦労の日々で試行錯誤を重ねたそうです。今後は二人とも大学院に進学し更に研究を進め、「大型機械の出す燃焼生成物の量を少しでも削減することで、カーボンニュートラルの実現に貢献できればうれしいです」と語ってくれました。
カーボンニュートラルは、地球上全ての人に関わりのあるトピック。その達成に向け、さまざまな切り口で研究を進める川上研究室の学生たち。自主性あふれる取り組みを通じ、社会の役に立つことへやりがいを感じる姿がとても印象的でした。
(掲載先:広報誌「HOSEI」2025年4・5月号)
法政大学公式Instagramでも広報誌「HOSEI」の取材記事を中心に投稿していきます。本誌では掲載していない写真や取材のこぼれ話なども見ることができます。ぜひフォローをお願いします。