大学評価室

大学評価室長挨拶

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 学修成果を基軸に据えた内部質保証システムの構築と実質化に向けて

 2018年度から始まった第3期認証評価は、2025年度には、いよいよ、第4期認証評価にバトンを渡す時期を迎えている。第3期認証評価では、「内部質保証システムの有効性に着目する評価」を目指し、多くの高等教育機関において、得られた学修成果の測定結果を特色ある自大学の教育プログラムに反映すべく、組織的な体制、各種ツールの開発や具体的な学習成果の把握に関する検討が行われている。本学においても各学部・大学院等の各種アンケートの分析や自己点検・評価シートによる「学習成果の把握」による長所・特色の明確化や問題点の検討を外部評価委員による評価を含めて行っており、コロナ禍以降においても多くの成果が得られているのは、周知の事実である。第4期認証評価では、基本的な方向性が6つ示されているが、大別すれば、内部質保証の実質化で問われる内容と評価の方法の2つであろう。

 1つ目の「内部質保証の実質化に向けて」は、1.学習成果を基軸に据えた内部質保証の重視とその実質性を問う評価、2. 大学の取り組みの有効性・達成度を重視する評価、3. オンライン教育の動向を踏まえた評価、である。第3期認証評価で構築された体制創りを踏まえて、その体制が学生の学修成果の向上への「機能と有効性」を備えているかを「達成度を重視」して評価することが実質的に問われている。ある意味「法令要件」の遵守や大学や各部局としてなすべき基本的な「責務行動の実績」は、高等教育機関として行われて当然であり、より教育の質向上に向けた「高み」を目指したものとなっている。本学の自己点検・評価においても、さらなる「内部質保証の充実化」を図りながら、スピード感、効率化についても併せて継続的に検討を行っている。

 2つ目の「評価の方法」は、1.学生の意見を取り入れた評価、2.特色ある取り組みの評価、3. 効果的・効率的な評価の実施、である。この3点については、すでに、本学における全学質保証会議の「タスクフォース」において検討が進んでおり、2024年度から「学生に対するインタビュー(座談会)」や各種の内部質保証に関する取り組みの見直しも予定されている。今後も内部質保証の評価項目の1つである「内部質保証システムの有効性及び適切性について定期的に点検・評価を行い、改善・向上に向けた取り組みを行っていること。」をさらに重視したいと考えている。

大学評価室長・理工学部教授 川上忠重

 本年度は、第4期認証評価に向けた準備を「計画」から「実行」に移行する時期に入っている。これは、単に認証評価に向けた「事務的な手続きや書類を準備する」意味ではなく、大学、各学部・大学院等での教育・研究のさらなる充実と学修成果の向上を実現すべく、本学での内部質保証を機能させるかが重要である。基本的な事項である認証評価や内部質保証を行う目的を、あらためて大学全体として確認しつつ、本学の伝統ある特色をいかに伸長させながら、学内で行われている「特に優れた取り組み」を共有し、大学全体として実践するかが重要であろう。
 本年度も大学や各学部・大学院等の協力をいただきながら、「学修成果の向上」に向けて、本学の「自己点検・評価」を推進する所存である。引き続き、学内および学外を含めた関連部局の皆様からのご指導、ご協力を心よりお願いしたい。

                                                            2024年4月 大学評価室長 川上 忠重