熊本スタディツアー
1 日程 2025年3月4日(火)~3月6日(木)
2 場所 熊本県熊本市・阿蘇市・南阿蘇村
3 概要
2025年3月4日(火)、5日(水)、6日(木)に「熊本スタディツアー」を実施した。2016年4月14日と16日に、震度7を記録する揺れが28時間以内に連続して発生するという極めて異例な地震が熊本で起きた。この地震により、270人以上もの尊い命が奪われ、「平成28年熊本地震」と呼ばれるようになった。死因の内訳は、地震による直接死(強い揺れによる建物の倒壊や土砂崩れによる死亡)が50人であったのに対し、災害関連死(災害による直接的・物理的な事故死、例えば水死や圧死など)が4倍以上の215人にのぼった。また、熊本県は地震の被害に加えて、阿蘇山の噴火や、2023年7月3日に発生した線状降水帯による大雨による水害など、さまざまな災害に見舞われている。私たちが今回活動を行うにあたっては、熊本県が経験した多くの災害から復興する過程を、講話や見学を通して学び、災害における直接死・関連死を減らすために、今後の備えをどのようにしていくべきかを学ぶことを目的とした。日程については以下の通りである。現地到着後、熊本県防災センターの見学を行い、熊本県総合福祉センター KVOAD樋口様より講話をいただいた。2日目は、熊本県地震震災ミュージアムKIOKUにてガイド付きの見学を行い、熊本大学 黒髪キャンパスにて熊本大学工学部公認サークル熊助組との交流会を行った。そして、熊本城の見学を行った。3日目は、阿蘇火山博物館の見学を行った。今回の熊本スタディツアーでは、震災を経験された方々からお話を伺うことや実際の被害の状況を展示や遺構を通して知り、当事者の目線に立って考えることができる貴重な機会となった。(ボランティアセンター学生スタッフチーム・オレンジ 人間環境学部人間環境学科2年 大山 奏)
4 学生参加者数 30名
5 参加学生の感想
1日目の防災センターでは、熊本県は地震よりも水害や火山噴火が多く、災害対策が充実していることに驚き、熊本の災害への備えの重要性を再認識しました。そして熊本県総合福祉センターKVOAD 樋口様の講話では、ボランティア活動が「迷惑ではない」との話に驚き、SNSやメディアの影響で自分の判断が偏っていたことを反省し、改めてボランティアの重要性を感じました。2日目の熊本県地震震災ミュージアムKIOKUにて、耐震工事をしている校舎としていない校舎での被害の差を目の当たりにし、耐震工事の重要性を強く感じました。熊本大学工学部公認サークル熊助組との交流を通じて、コミュニティの繋がりの大切さを学び、災害時には地域の連携が重要だと実感しました。そして熊本城の見学では、熊本地震での城の被害を目の当たりにし、その修復に長い時間がかかることに驚くとともに地震の規模を実感しました。3日目の阿蘇火山博物館の見学では、火山の噴火について学び、火山噴火することによって起こる被害とともに火山が必ずしも全て危険ではないことに驚き、異なる自然災害の認識を改めるきっかけとなりました。これまでの活動として、東北や神戸などの大きな災害が起こったことで知られている地域に行っていましたが、今回初めて熊本県に行き、災害について学びました。東北や神戸に比べるとメディアで注目されている地域ではありませんが、だからこそ毎回の活動に新鮮な学びがあり、災害についての理解をより深められた体験となりました。(人間環境学部人間環境学科2年 大山 奏)
今回のスタディツアーでは、大きく分けて2点、印象深かった事があった。第一に、現在熊本県内において、熊本地震をはじめとした過去の災害の経験が活かされている事が挙げられる。熊本地震の以前、熊本県内では「この辺りで大きな地震災害が起こることはない」という考えをしている人が殆どだったという。しかし、地震後の熊本では、災害時に使う設備が県庁にしっかり常設されたり、熊本地震の記憶を継承し、活かしていく取り組みがなされている事がわかった。第二に、災害とは地震だけでない。という事を知ることができたことが挙げられる。これまでチームオレンジでは、地震による災害に注目する事が殆どであった。しかし、今回のスタディツアーでは、阿蘇山にて日本全国における火山や地殻変動などによる災害の可能性を知ったり、全体を通して熊本県内での水害の被害や危険性を知る事ができた。ここから、災害はその形態も被害もさまざまだとわかった。(人間環境学部人間環境学科2年 西山 惺)
阿蘇火山博物館での様子
阿蘇火山の生い立ちについて学ぶ学生
熊助組と交流する学生
被災した旧東海大学阿蘇校舎1号館建物を見学する学生
阿蘇山の前で記念撮影
熊本大学工学部公認サークル「熊助組」の皆様と記念撮影