本学ボランティアセンターのホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
法政大学では、市ケ谷と小金井の2キャンパスにボランティアセンターを置いています(多摩キャンパスのボランティアセンターは2023年度よりソーシャル・イノベーションセンターとして生まれ変わりました)。
本センターは、「人の役に立ちたい」「社会とつながりたい」「自分にできることから始めたい」という、学生たちの小さくて大きな一歩から始まりました。学生が自発的にボランティアサークルを立ち上げ、その活動を更に広げるために自主的に大学に提言を行い、そこから組織としての形が生まれました。そうした背景から、大学としてその取り組みを力強く後押ししています。詳しくは「センター概要」の「設立経緯」のページをご覧ください。
「ボランティア」という言葉には、困っている人に自発的に手を差し伸べるという善意の行動という枠を超え、人と人とをつないで思いやりの心を育み、困難を乗り越える力を高めるはたらきがあると私は感じています。私自身、かつて少年時代にカブスカウトやボーイスカウトの活動を通して、地域の募金活動やアウトドア体験などに関わりながら、人とのふれあいや厳しい自然環境の中での試行錯誤など、多くを経験しました。当時はただ夢中で楽しんでいたことも、今思えば他者の喜びを自分のことのように感じる「共感力」や、自分で考えて困難を乗り越える「生きる力」を育てる貴重な機会だったと感じています。
現代の大学生もまた、ボランティアという現場で、災害支援や子どもたちとの交流、高齢者のサポートや道案内など、それぞれの関心や問題意識を持ちながら、地域や社会の課題と向き合い、多様な経験を積んでいます。そうした経験が、人としての土台をつくり、社会とどう向き合うか、他者とどうつながるかを考えるきっかけになっていると思います。そして、どの活動にも共通しているのは、「人と人との間にある温かさ」です。その温かさを受け取ったとき、人は誰かのためにまた動き出そうという気持ちになります。
ボランティアは、他者のためだけでなく、自分の内面を見つめ、社会とよりよい関係を築こうとする「生きた学び」そのものです。自らの力で踏み出したその一歩が、誰かの支えとなり、さらに自分自身の未来にも確かな意味をもたらしてくれる、そう信じています。このページをご覧になったあなたが、少しでもボランティアの何かに心動かされたのなら、それが最初の一歩です。その先には、きっとあなたにしか見えない景色が待っています。そしてその景色は、他の誰かにとっての希望や喜びにもなっていくはずです。心からの感謝とともに、皆さんのご参加をお待ちしています。
2025年4月1日
法政大学ボランティアセンター長
土屋 雅人(デザイン工学部教授)