手話講座特別編
1 日程 2024年12月10日(火)
2 場所 富士見ゲート6階G602教室
3 概要
市ケ谷ボランティアセンターVSPでは、本学学部生を対象とした手話講座入門編を10月8日から12月3日にかけて全8回実施した。本講座は入門編に続く特別編であり、ろう者として日本で初めて薬剤師の免許を取得して薬剤師、スポーツファーマシストとして活躍している早瀬久美様を講師としてお招きし、講義をしていただいた。また、早瀬様はデフリンピックの自転車競技に3度出場されており、多方面でご活躍されている。特別編は言語としての手話を実際に体験することを目的として行った。手話通訳士として入門編の講師を務めていただいた中野佐世子先生、豊田直子様もお招きした。早瀬様には事前に募っていた質問に答える形で講義を進めていただき、自身の生い立ちから学生時代をどのように過ごしたのかお話していただいた。次に薬剤師を目指そうとしたきっかけ、「耳が聞こえない者には薬剤師の免許を与えない」という法律をどのように変えたのか、自転車競技との出会いなどについて詳しくお話ししていただいた。日常的に手話を使用して会話をされている早瀬様の手話を実際に体験することができ、有意義な時間となった。(ボランティアセンター学生スタッフVSP法学部政治学科1年 柳澤 心季)
4 学生参加者数 34名(うち東京学芸大学、東京家政学院大学1名、学生スタッフ1名)
5 企画学生の感想
早瀬さんのお話はとても表情豊かで体全体を使って参加者に気持ちを届けていたのが印象的でした。それは私たちが言葉で話すよりもはるかに「伝えようとする思い」がまっすぐに感じられました。また、早瀬さんが耳が聞こえないことを恐れず、負けず嫌いで何事にもチャレンジされてきたことを聞いて、私や周りの大学生は将来を決める大事な時期を過ごして不安になることも多いですが、早瀬さんのパワフルなお話でとても勇気づけられました。早瀬さんのお母様の「法律は人が作ったものだから社会(人)が変われば法律も変えられる」というお言葉が心に残って、固定概念にとらわれず早瀬さんのやりたいことを後押しした言葉に私も決まったレールにとらわれずに何事も挑戦していこうと思いました。(ボランティアセンター学生スタッフVSP人間環境学部人間環境学科1年 大平 夏実)
今回私は授業があった関係で講座自体には参加せず、準備と事後活動、中野先生と講座前にお話をして企画について相談する役割を担当しました。1年生主体ということもあり、企画を考える側になることが初めてだったので、責任感や企画者同士との協力を意識しながら取り組むことができました。講座の前に早瀬久美さんにお会いして、私が手話で自己紹介をしたとき、笑顔で接してくれたことが嬉しかったです。私が早瀬さんに名前を伝えたいという気持ちと、早瀬さんが優しくその気持ちを受け止めてくれたことで、手話を間違えたらどうしようという私の不安がなくなりました。それぞれが普段異なる手段でコミュニケーションを取っているということは、お互いがそれを理解していることと、この人と話したいという思いがあればあまり大きな壁にはならないのだと感じました。この企画で経験したことを、今後の新しい企画でも活かしたいと思います。(ボランティアセンター学生スタッフVSP人間環境学部人間環境学科1年 清澤 夏輝)
6 参加学生の感想
早瀬久美さんがとても前向きな方であることが印象に残った。生まれつき音が聞こえなくても、その自分を受け入れてきたこと。また何にでも挑戦してきたこと、更には障害がある為に薬剤師になれない法律の壁に立ち向かったことを聞き、1人の人間として活き活きと生きていることを知り、もはや障害があるとか無いとかは関係ないと感じた。今回の講義を通じ、長所がこうで短所が云々ではなく、1人の人間として自分や他者を受け入れたいと思った。(法学部法律学科4年 佐藤 幹大)
今までの経験やその時どのような思いを持っていたのか、実際に耳の聞こえない方本人からお話を聞くことができて良かったです。伝え聞くのとは違うと思ったので、また機会があれば参加したいです。手話で話すことそのものより、「気持ち」を話すことが大切だと聞き、コミュニケーションは、伝える手段ではなく、伝えたいという「気持ち」が必要なのだと思いました。伝えたいという「気持ち」を作ることは自分次第なので、まずは入門編で学んだ手話を少しでも自分のものにしていけたら良いなと思います。(文学部日本文学科2年 内木 華鈴)
講師の紹介をするVSP企画者とその言葉を手話で伝える中野先生
薬剤師、スポーツファーマシストとしてご活躍されている講師の早瀬久美様
手話通訳士の中野先生と豊田様
集合写真