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ダウン症のある子どもが生まれる確率は約1,000人に1人と言われており、この数は決して少なくはないが、現在の社会はダウン症への理解が進んでいるとは言い難いと感じています。そのことについて問題意識を持ち、昨年12月15日にはダウン症から共生社会について学ぶ講義形式の企画「「誰か」じゃなく「みんな」が生きやすい社会とは?」を実施し、25名の学生が参加しました。そして、さらに共生社会について理解を深め、実践していくためには、実際にダウン症のある方と直接コミュニケーションを取ることが大切だと感じました。そのため、今回はダウン症から共生社会を考える企画の2回目として、新型コロナウイルス感染症の影響も考慮し、オンライン上でダウン症のある方とコミュニケーションを取り、共生社会への理解と実践に一歩近づくことを目的としました。
本企画の前半では、NPO法人アクセプションズさんよりダウン症のある方とのコミュニケーションについて説明していただいた後、3・4人のグループに分かれ、オンライン上で実際にダウン症のある方とお話をしました。後半は、共有の時間とし、コミュニケーションを取る中で考え感じたことを共有しながら、共生社会にはどんな意識が必要か、実現に向けてどのようなことができるか等を議論し、共生社会実現に向けて学びを深めることができたと思います。(ボランティアセンター学生スタッフVSP 文学部英文学科1年 菅原 光里)
第2弾として今回もオンラインで実施した当企画は、100分という時間があっという間に感じるほどこれまでにない達成感を経験しました。参加者が口を揃えて「楽しかった」と感想を述べてくれたこと、また、ただ楽しかっただけではなく「障がいは境界線が引けないと思った」「ダウン症としてではなく個人としてみることの大切さに気付いた」等、企画の目的を達成できたと受け取れる感想も共有してもらい、学生達にとって貴重な学びの場になったという事を実感しました。各班に分かれて少人数で交流した際は、「もうお別れなの寂しい」という言葉が飛び交うほど、互いに充実した時間を過ごすことができたことを感じました。このように満足度高く、企画を成功に収めることが出来たのは、ダウン症のある参加者の方々が持つ人柄、ユーモアさといった力が大きいと気づきました。メインルームで見た参加者全員の表情が明るく、楽しそうな様子が画面上で伝わってきた時の感動は今でも忘れられません。次回は第3弾として可能な限り対面でイベントを開催し、より多くの学生達に考えるきっかけとなるような内容を考案していきたいと思います。(ボランティアセンター学生スタッフVSP キャリアデザイン学部キャリアデザイン学科3年 宇野 瑠奈)
コロナ禍での企画実施となり、当初の予定であった対面で企画を行うことは叶いませんでした。第1弾の企画内容やアンケート結果、振り返り会などを踏まえて、ダウン症のある方と実際に会って交流してみたいという思いがあり今回の企画を立案したため、はじめは非常に残念に思っていました。しかしながら、私たち企画立案者だけでなく、参加学生やアクセプションズからの参加者の方からも、「楽しかった」や、「もっと話したかった」などのお声をたくさんいただきました。企画実施までのミーティングもオンラインで実施し、不安なこともありましたが、参加いただいた人にとって深い学びの場となり、安心しました。オンライン上ではありましたが、ダウン症のある方と交流できて楽しかっただけでなく、ダウン症をはじめとする障がいのある方をより身近に感じること、先入観を少しでも取り払うことなど、たくさんの気づきを得ることができたと思います。第3弾の企画を実施できるのであれば、今回叶わなかった対面での開催を目指し、より多くの学生に障がいのある方に対して他人事としてとらえるのではなく自分事としてとらえられるような企画を立案していきたいです。(ボランティアセンター学生スタッフVSP キャリアデザイン学部キャリアデザイン学科3年 髙師 桜子)
ここからは事後アンケートの結果を参照し記載していく。まず、本企画全体の満足度を、5の満足から1の不満という、5段階評価で回答してもらった。学生側の参加者では、「5」が74.1%、「4」が14.8%、「3」が11.1%という結果だった。またアクセプションズさん側の参加者では、「5」が64.3%、「4」が35.7%という結果となった。いずれも過半数の方に「5」と回答をいただき、満足度の高い企画になったのではないだろうか。学生側の感想としては、「ダウン症に対して抱いていたイメージが変わった」、「『障がいがあるから~』と限定的になるのではなく、みんなの個性を生かした社会作りに関わりたい」など、ダウン症の理解や共生社会に繋がる感想が多くあり、目的を達成できたことを嬉しく思う。一方で、「オンラインでは話すタイミングがなかなか合わなかったり少し難しかった」のようなオンラインならではの難しさや、「もう少し他のダウン症の方とも話してみたかった」のような反省点も挙がった。また、アクセプションズさん側の参加者の感想では、「とにかく楽しかった」のようなポジティブな意見を多くいただいた。しかし、「聞き取ることが苦手なので、少しフォローがあるとさらに楽しめるように思います」や「言葉が出ずなかなかオンラインの空間に入っていけない時間が続いた」のような、改善すべき点も見つかった。学生側、アクセプションズ側両方から、対面の企画にも参加したいという声を多くいただいたので、次回は対面で、今回の反省を生かして有意義な企画を行いたいと思った。