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2020年に開催予定であった東京2020オリンピック・パラリンピックに向け、大会組織委員会は、障がいの有無に関わらず、すべての人々にとってアクセシブルでインクルーシブな大会となるような様々な取り組みを推進してきました。本学においても、その取り組みを理解し、相互の人格と個性を尊重し合う共生社会の実現に貢献できるようにという意図で、2016年に発足したこの企画を、㈱インクルーシブデザイン・ソリューションズの高山希氏を講師に、また一般社団法人日本ダイバーシティ推進協会理事 久保 博揮氏をリードユーザのゲストとして招き、対面とオンライン(Zoom)のハイフレックス型で実施しました。
講義に続き、買い物をする際の一連の動きに伴う心情(快、不快)を線グラフに表し、今まで気付いていなかった不便さを発見するミニワークショップを行いました。久保氏との質疑応答からは、リードユーザの方の意見を取り入れることの重要さを感じる事ができました。
【スケジュール】
16:50〜17:05 はじめに:事務局よりあいさつ等
17:05〜17:35 講義:インクルーシブデザインとは/リードユーザ(極端ユーザ)マーケティングとは/国内外の事例紹介/身近にあるこんな不便
17:35〜18:00 ゲストトーク:リードユーザの紹介/リードユーザとしてどのように活躍しているのか/日常の生活についてエピソードトーク
18:00〜18:20 プチワークショップ:ユーザの行動からどんな不便があるのか見つける/一つの問題に絞って制約下の中でのアイディアを考えてみる
18:20〜18:30 まとめ・質疑応答:今日のまとめ/質疑応答/アンケートのお願い
(ボランティアセンター学生スタッフVSP 法学部国際政治学科2年 伊東 茉鈴)
この企画は、ボランティアセンターに入って初めて担当した企画であり、初のハイフレックスでの講義ということで、不安と緊張があった。当日は、質問を受けるタイミングやマイクの切り替えなど、スムーズに進行することができなかった。当日のトラブルを防ぐためにも、事前の打ち合わせで、より綿密に確認すべきだったと感じた。この反省点を今後の企画に活かしていきたい。
また、講師の方やリードユーザの方の実際のお話など、企画に携わらなかったら経験できなかったことができ、有意義な時間となった。(ボランティアセンター学生スタッフVSP 法学部政治学科1年 今給黎 優那)
ハイフレックス型でオンライン参加者に声が伝わらなかったり共有画面がうまく表示されなかったりといくつかトラブルあった際に、私はうまく対処できず職員さんに任せっきりになってしまった。しかし、参加者に意識が高い学生が多く質問が絶えなかったことや参加者の満足度が高かったことは良い成果だと思った。また、この講座を通して障がいのある方とオンライン上でお話しできたこと、商品開発について知れたことで物事を新たな視点から考え直すきっかけになり、勉強になった。遠くにお住まいの方の話が聞けることやオンラインという選択肢があることで学生が気軽に参加できることはハイフレックス型の良い点だと思う。この企画での課題と成果を今後に活かせるように頑張りたい。(ボランティアセンター学生スタッフVSP 法学部政治学科1年 守 綾乃)
以前からインクルーシブデザインについて関心があり、本講座に参加することで改めて基盤にある考え方について理解を深めることが出来た。また、講師の方に加えて、実際にリードユーザの立場として生活をされている方からお話しを頂き、より具体的な問題意識を持つ機会となった。本企画は初の試みとしてハイフレックス型での実施となり、いくらかトラブルはあったものの全体として満足度の高い企画にすることが出来た。今回の反省を今後の企画に生かしていきたい。(ボランティアセンター学生スタッフVSP デザイン工学部都市環境デザイン工学科3年 鴨 潤矢)
視覚に障がいのある方のお話を聞いて、様々な気づきがありました。健常者が当たり前にできていることに苦労し、時には諦めなければならない現状は、絶対に変えていかなければならないと思います。また、一番印象に残ったのは、インクルーシブデザインについて「障がい者への思いやりという視点ではなく、社会全体として成長していくための取り組み」とおっしゃっていたことです。確かに、ある特定の人だけのために社会を補うと考えるのではなく、誰もが暮らしやすい社会を目指していくという考え方は、障がいのある方とそうでない方の双方にとってとても大切だと思いました。(法学部国際政治学科2年)
生活に不便を感じている一部の人の声を聞くことが、その他大勢の便利にも繋がる、というインクルーシブデザインの普遍性を教えて頂きました。それがインクルーシブな取り組みに対して親近感を持っていなかった私も、自分事化するきっかけになったと思います。お話しして頂いた久保さんのアクティブさには驚きました。「目が見えないという特性」と仰っていたように全盲であることを悲観することなく、むしろ強みとして能動的に社会に関わっている姿に、多様性が尊重された社会のあり方を見ることができました。(人間環境学部人間環境学科1年)