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【市ケ谷】チーム・オレンジ「福島被災地スタディツアー」を行いました(12/6)

  • 2020年12月15日
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本企画は市ヶ谷ボランティアセンター学生スタッフ「チーム・オレンジ」が企画し、チーム・オレンジだけではなく被災地に初めて訪れる学内の一般学生をターゲットとし、福島県の被災状況や復興に向けた取り組みを学び、風評被害について考えることをスローガンとしました。 午前中に訪れたファーム白石では、農家の白石さんに震災直後の風評被害の状況や、風評被害をなくすための取り組みについてお話ししていただきました。また震災から10年が経とうとしているが、野菜が豊作の年は今でも福島県産の野菜が最後まで売れ残る現状を知り、まだ風評被害は終わっていないことを実感しました。農業においては、お金と物のやりとりだけではなく、想いを消費者に伝えることや人とのつながりが大切だと学びました。またブロッコリーの収穫体験も行い、関東ではなかなかできない貴重な経験をしました

その後訪れた2020年9月に開館したばかりの東日本大震災・原子力災害伝承館では、原発事故により学校に放置されていた児童の私物などが展示され、当時の状況を生々しく伝えていました。当時の東京電力の会議の映像なども上映されており、混乱していた状況を詳細に学ぶことができました。また語り部の方に講話していただき、未来の明るいエネルギーとされていた原子力発電は果たして本当に明るい未来をもたらしたのか考えさせられました。原発事故によって失われたもののうち一番大切な物は家や財産ではなく、人との繋がりであることを痛感しました。

今回のツアーで現地での視察、講話を通して震災の記憶を共有し、風化防止、防災意識の向上に結びつけることができました。さらにスローガンである「風評被害について考えよう」を達成し、福島県産の農作物に対する学生の意識を変えることができたと思われます。またこのプロジェクトを通じて「チーム・オレンジ」の学生スタッフは、企画書作成、準備、当日の運営など企画を実行する一連の流れを学びました。今後も震災の風化防止・防災啓発に繋がるプログラムを実施していきます。(ボランティアセンター学生スタッフチーム・オレンジ 法学部法律学科2年 福田 桃子)

参加学生の感想

生産者さんの実際の声を聞くことができ、消費者である私の理解が深まり大変有意義な時間でした。収穫体験はとても楽しかったです。今回訪れなかったら一生知らずにいたかもしれないことをたくさん見て感じて考えることができました。「人」「町」「コミュニティ」など、普段当たり前のように私の周りにあるものがある日突然無くなったら、と今までしっかりと考えてこなかったことを見つめる機会になりました。目で見ていない物を憶測で語ることの恐ろしさ、またその被害は自分が考えているより大きいのだなと思いました。まず「本当にそうなのか?」という目線を持ち、信頼できるデータを自ら収集し、冷静に判断する。今回得た教訓として、これから忘れずにいたいです。(国際文化学部国際文化学科1年)

農業についての情報が伝わっていないという言葉が印象的だった。たしかに、自分は首都圏で生まれ育ち、産地や農家に対するイメージはあまりなかった。伝えていく方向として、実際の種植えなどを見せるというのは農業を身近なものに感じさせるいいアイデアだと感じた。ニュースを見た時に大事なことは想像力である。放射線被害の可能性があるため避難指示を出された時の車の渋滞の写真から読み取れること。すぐに帰れると思った人達の列だという視点は自分にはなかったものでした。もし自分だったら、そう考える想像力は社会学部の理念である「社会課題を解決する」という意味でも必要だと思いました。百聞は一見にしかず、と言うようにどんなに大学などで福島や原発のことを勉強しても実際に見てから分かることの方が多いと感じました。コロナ禍で失われてしまっている場としてフィールドワークの価値はとても高い。実際に現場に訪れる機会を与えてくれたスタディツアーはとても貴重な経験でした。次回以降も参加したいです。ありがとうございました。(社会学部社会政策学科3年)

 

   

  • 風評被害のお話の後、ブロッコリーの収穫体験をした

  • 講師の方からお話を聞く