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被災地支援・防災啓発を目的に活動している、ボランティアセンター学生スタッフチーム・オレンジが、昨年に続き大学での被災を想定した「防災キャンプ」を行いました。首都直下型地震(震度6強を想定・津波の心配はなし)発生、電気水道ガスは全て使えないという状況設定に加えて、本年度は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)対策も考慮しての宿泊となりました。
1日目は起震車で震度7までの揺れを体験し、講師の災害支援・防災教育コーディネーター宮崎賢哉氏からの講義の後、大学内の防災備蓄倉庫の見学、AED講習を行いました。今回、感染症対策も考える必要があったため、事前の準備も昨年より念入りに行いました。最も苦労したのは、寝床づくりです。感染症対策のために床上35センチの高さが必要な為、段ボールやパイプ椅子を用いてベッドを作成、椅子や机と仕切り板を使ってソーシャルディスタンスを確保しました。
2日目は簡易トイレづくりと災害時におけるSNSの使用方法を学びました。実際に大学の安否確認サイトへ自らの情報を送る体験や、会話をしないで食事をする際にもLINEのトーク画面を投影して情報交換をするなど、さまざまな工夫をすることで安全な避難ができることを学びました。普段はミーティング等で使用するZoomですが、2か所に設けた避難所の動向をお互いに見られるようにするなど、広い場所では遠隔会議システムが力を発揮しました。
また、両日を通じてチーム・オレンジのスタッフが「学生企画」を行いました。防災グッズづくり、クロスロード、なまずの学校(防災関連ゲーム)を実施、また非常食も感染防止に留意したものを用意したり、参加者の動線も細かく確認しました。準備をしながらの発見も多く、実際に災害が起こる前の備えや、普段当たり前のように使用しているLINEなどのSNSが被災時にいかに重要かを発見する貴重な機会となりました。災害時に学生や近隣の市民の一時避難所となる本学において、今後もチーム・オレンジをはじめ、学生の力が重要となることは間違いありません。
防災キャンプに参加し、実際の災害を想定して大学で2日間を過ごしたことで、知識だけではなく実体験として「災害時に何をするべきか」という一例を学べたとともに、まだまだ災害に対する備えが足りていないと自省する機会を得ることができた。いつ起きるか分からない災害に対する心構えを忘れないようにしようと、参加を機に強く思い直せて有意義だった。(経営学部経営学科2年 五味 祥紀)
今回の経験で防災意識がより高まりました。食料の少なさや寝床作成など、避難した場合の実状を実践で知ることができたのがとてもありがたかったです。また、SNS講習では、考えていたより多くの手段で安否確認、救助要請、情報収集ができることを知りました。宮崎さんの講義では、実際の災害の話や心構えを学びました。また、避難所や災害時のその場の判断力をゲームで養うことができ、とても充実した2日間でした。(法学部政治学科1年 河井 悠希)