2025年度防災キャンプ報告書
1 日時 2025年11月29日(土)~11月30日(日)
2 場所 市ケ谷キャンパス 外濠校舎5階、フォレストガーデン、備蓄倉庫、富士見ゲート、メモリアルコリドー、体育館横
3 概要
今回の防災キャンプは、「震度6強の首都直下地震が発生し、3日間学内で待機する」という想定で実施しました。実際には1泊2日のプログラムであったが、この体験を通して、大地震発生時の適切な行動や、日頃からの備えについて学ぶことを目的とした。1日目は、AED講習とAEDスタンプラリーを行い、使用方法や設置場所について理解を深めた。また昨年に続き、トヨタモビリティ東京様から電気自動車をお借りし、ハウス食品グループ本社株式会社様のレトルトカレーを調理する炊き出し体験も実施しました。今年はさらに新たな取り組みとして、エレベーター閉じ込め訓練を行ったほか、夜間は電気の使用を禁止し、携帯トイレを実際に使うなど、より実践的な訓練を取り入れた。2日目には、起震車による震度7の揺れを体験し、その強さを身をもって理解することができた。加えてスキッド(※)体験も行い、いざという時に正しく使用できるよう、操作方法を学びました。今回の防災キャンプを通して、楽しみながら避難行動や防災意識を高めることができ、日頃の備えを見直すきっかけとなりました。(ボランティアセンター学生スタッフチーム・オレンジ 経営学部経営学科2年 加藤 綾音)
※スキッド・・・発生時等エレベーターが使用できない状況で、階段を利用し、負傷者や歩行困難者を安全に階下に搬送できる避難器具のこと
4 学生参加者数 39名
5 企画学生の感想
この企画に携わることができてとても良かった。私自身も学ぶことが多かった。来年度以降もぜひ継続していただきたいのは、外部の方との連携である。なぜなら、学生がいま、学ぶことに価値があると思うからだ。今回2日間のまとめの時間にボランティアセンターの方が仰っていたなかで印象に残ったお言葉がある。それは、企業の外部宣伝用パックではなく、学生が必要だと感じること、学びたいことに合わせて先方とボランティアセンターと調整し、企画を成立させることは大きな学びになるだけでなく、今後の人生において経験が大きな糧になるということだ。今回はハウス食品様、トヨタモビリティ様だったが、継続しても新しいところにお願いしても良いと思う。例えば、備蓄品の提供をしてくださっている企業さんにお願いしたり、東北地方太平洋沖地震での取り組みを調べ、協力をお願いしたい企業さんやNPOの方や、千代田区や東京都などの自治体、そして研究機関や他大学との連携も楽しいのではないかと思う。今回、私はAED講習の講師陣として企画者の中でも携わったが、今まで取得してきた資格のinputを言葉や実技によりoutputできた機会は非常に有意義だった。他のスタディツアーなどはお話を聞いたり、見たりする時間が長い分、ぜひ防災キャンプという法政大学のキャンパスで行なうこの企画は学生が主体で動く企画にしていただきたいと切に願う。この企画における意義とは、学生が等身大で取り組むことで、「防災」という小難しい単語を噛み砕き、自分ごととしてできることを考える機会になることだと私は思う。ぜひ、来年度以降も独自性のある柔軟な企画であってほしい。そして、いつかは“意識が高い”人だけではなく、もっと広く一般に楽しんで参加していただける企画にしていただきたい。私も微力ながらこれからも頑張ろうと思う。今後企画で詰まった時に、私で良ければいつでもお話し聞きますので連絡ください。応援してます!(ボランティアセンター学生スタッフチーム・オレンジ 人間環境学部人間環境学科2年 阿部 晴香)
学校で、教室に泊まるというイベントは今までで初めてだったので、学ぶことが多かった。炊き出しやエレベーター閉じ込め訓練、起震車など普通なら出来ない体験だったので、参加出来て本当に良かったと思う。企画者として、スケジュール通りにしっかり出来るか、先方に失礼なことをしてしまわないか不安な要素があったが、周りに助けられながらもスムーズに企画は進み大成功となって学びにもなり良い思い出にもなった。(ボランティアセンター学生スタッフチーム・オレンジ 経営学部経営学科2年 北原 花夏)
防災キャンプというこの企画を通して、企画者としても参加者としても多くの学びを得られた。特に、準備に当たって、企画をスムーズに進め成功させるためには、分からないことはきちんと聞くこと、相談すること、企画者の仲間を頼ること、みんなで助け合っていくことの大切さを身にしみて感じた。実際この点を実践できていたからこそ、企画を大成功させることができたと思う。企画者の仲間はもちろん、ボランティアセンターの職員さん、総務部小林次長、協力してくださった企業のみなさま、千代田区の起震車の職員さん、エレベーターの非常通話の対応をしてくださった担当者様、大学の各担当の方など、多くの協力があってこそ今回の防災キャンプを行うことができ、その一つでも欠けていたら、この素晴らしい企画は作れなかった。この企画に携われて本当に良かったし、自分自身も成長することができたと思う。この場をお借りして、関わってくださったすべての人に感謝を伝えたい。また、私は参加するのは2回目だったため、ハウス様、トヨタ様のお話や、備蓄倉庫の見学は去年も聞いていたことから、復習のような感覚でいた。しかしながら、去年とはまた違ったお話を聞けたり、この一年でまた新しく技術が進んでいたり、商品が増えていたりと、新しく、新鮮な気持ちでお話を聞くことができた。そして何より、おいしい非常食、乗らせていただいた水素自動車、実際の教室での睡眠、エレベーター閉じ込め訓練など、自分の五感を使った学びが多く、とても忘れられない体験になった。同時に、実際の災害時のイメージもつけることができた。企画を通して、本当に多くの学びを得られた。この学びをこれからの生活にしっかり活かしていきたいと思う。(ボランティアセンター学生スタッフチーム・オレンジ 人間環境学部人間環境学科2年 花井 美友)
6 参加学生の感想
睡眠の質が充分に取れない避難生活の中では食が精神的な安定となって、重要なものとなると思う。その中で、水が足りなくなる不安や、普段に比べると少なく感じてしまう食料によって、やはり厳しい避難生活になってしまうかもしれないと感じた。大学には様々な災害時の道具が設置されていることが学べたが、今回のような機会がない限り知ることが難しく、実際に使用することも難しいと考えられる。これから、今回学んだようなことを、学内に広め、実践することができる学生を増やす活動が必要になると考える。(文学部史学科2年 嶌田 夏那)
防災キャンプ全体を通じて、災害への備えは「知っているかどうか」で大きく差が出ることを痛感した。実際に避難所生活を体験することで、想像以上に体力や精神的な負担が大きいことを理解できた。また、設備の使い方や非常食の扱いなど、平常時には意識しない細かな点を意識することができてよかった。今回の経験から、日頃から身の回りのリスクを確認し、家族や友人とも防災について話し合う習慣の大切さを実感した。(経営学部経営戦略学科4年 荒川 颯良)
今まで経験していた体育館も、畳によって他の人が歩く振動や音が伝わっていたため起きることが多かった。しかし、今回のアルミブランケットに比べたら寝やすい環境だったと思う。床の硬さや、毛布の大切さを痛感した。防災キャンプは同世代で知り合いも多い環境で寝泊まりしているが、実際の避難所での生活を想像すると過酷だと感じた。全く知らない人と近くで過ごすことは、音や匂いの問題もあり精神的にストレスがかかるだろうと想像する。非日常がいつ終わるかわからない不安の中で、炊き出しなど暖かい食べ物の重要性を再確認した。(法学部法律学科4年 後藤 元香)
有資格者の学生によるAED講習
備蓄倉庫の説明を受ける学生
エレベーターの防災チェアについて説明を受ける
スキッド体験をする様子
炊き出し体験での集合写真
参加者の集合写真