コロナ禍において対面での接触を控えるべく、全国のこども食堂運営者さんも利用者さんとのコミュニケーションや活動内容の周知のためにオンラインツールを効果的に用いる必要が出てきた。NPO法人むすびえ主催「こども食堂・オンラインツール『こんな使い方しています』共有会」にて、運営者さんの多くはオンラインツールを日常的に使用していない40~70代の方達であり、ツールの使用方法に困っていることを知った。そこで、オンライン環境に慣れている学生の力を用いて何かお手伝いができないかと考えていたところ、同イベントに参加されていた高橋さん（埼玉県ふじみ野市にある他世代交流型の食堂“コミュニティ広場にこまる”運営者）からお声掛けをいただき、食堂のwebサイトを作成するために、授業でのサイト作成経験を活かしたい人や、ITに強く自分の力を試したい人、デザインに興味のある人が集まり、企画チームが出来上がった。
最初に高橋さんとの顔合わせを行なった後、なぜサイトが必要なのか、どのような項目が必要なのか、雰囲気、使用するツールなどをお伺いした。そこで高橋さんがPC操作に慣れていないことをお聞きし、ただ“サイトを作成する”のではなく“簡単に編集できるサイト”を作ること、また操作方法を丁寧に解説したマニュアルも独自に作成することを決定した。
打ち合わせ・情報共有は全てオンライン上で行うことになった。また、メンバー間での連絡もオンラインでの実施であったため、常に綿密なやりとりが必要とされた。打ち合わせは10回以上に及び、4ヶ月という短期間でサイトとマニュアルを完成することができた。
サイト完成後は実際に現地に赴き、高橋さんとボランティアさんに操作方法を解説した。その後、普段活動されている会場をご案内いただき、こども食堂の運営方法や現在の課題などについてお伺いした。
訪問後、メンバー内で振り返りを行い、webサイト作成に必要なものはITリテラシーだけではないことや、チームで活動する強み、カタチに残るボランティアの貴重さ、コロナ禍で活動が制限されるこども食堂に対し私たちにできることなどについて話し合った。（ボランティアセンター学生スタッフVSP 文学部心理学科２年 青木 怜奈）
企画学生の感想
にこまるさんのホームページを作成してみて、ITの知識や技術が深まったのはもとより、4人のメンバーで連携することの大切さを強く実感した。決して一人では考えつかない発想や速度でモノを仕上げることが可能で、相互に補完し合うことの重要さを学べた。また、ホームページ制作に重要なのはITスキルではなく、コミュニケーション能力なのだなと思ったが、私には弱い部分なので、その点は特に他のお三方に頼りきりだったと反省している。
今回の企画はホームページを作る企画だけではなく、ホームページにまつわる今後起こる諸問題に対処するまで続く企画だと考えているので、まだ企画は中盤にすぎない。保守管理までメンバー同士が連携して取り組んでいきたい。（ボランティアセンター学生スタッフVSP 経営学部経営学科２年 五味 祥紀）
今まで参加した企画の中で、形に残るものは初めてだったので完成後不思議で嬉しい気持ちになりました。ITも、デザインも得意なわけでもなく、参加しながらも自分が役に立つのか不安でした。しかし、自分にできることはたくさんあり、多くのことを学ぶ非常に良い経験となったと思います。スケジュールの組み方が的確、ITに強い、など各自の長所が上手く引き出されパズルみたいにはまったメンバーだったなと感じます。今回の企画を通して、人との繋がりの大切さを改めて実感しました。今後もHP修正のサポートやのぼりデザインを含め、繋がっていけたらなと思います。（ボランティアセンター学生スタッフVSP 経営学部市場経営学科２年 富岡 凜）
本企画は団体の“顔”となるホームページを制作するという責任の大きいものであり、普段の企画以上に先方が何を求めているのか正確に把握し、先方とだけでなくスタッフ間におけるコミュニケーションも必要とされる企画でした。様々な問題に直面しましたが、その度にアイデアや意見の交換が活発に行われ、一歩一歩着実に進めていくことが出来ました。完成まで無事漕ぎ着けられたのは、各工程段階のリーダーを決めて役割を分担し、振り分けられた役割を果たしつつも、時には枠を超えて臨機応変にフォローし合えたチームプレーの賜物だと思います。今回VSPにお任せいただけたのはとても光栄なことで、貴重な経験を積むことが出来たと感じています。私はこの企画をもって卒業となりますが、にこまるさんとのご縁が、この先も続いていくことを願っております。（ボランティアセンター学生スタッフVSP 経営学部経営学科4年 菅 結菜）
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完成したwebサイトの一部
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サイトの説明をしている様子