私たちボランティアセンターのサイトにおいでいただき,ありがとうございます.
法政大学では,市ヶ谷と小金井の2キャンパスにボランティアセンターを置いています(多摩キャンパスのボランティアセンターは2023年度よりソーシャル・イノベーションセンターとして生まれ変わりました).
本学のボランティアセンターは,活動だけではなく企画も含めて学生が中心になって行なっていますが,もう1つ特筆すべきは,その発足が「上から」ではなく,すでに活動していた学生ボランティアサークルが大学にボランティアセンター設立を提言し,それを大学が受け入れた,というところにあります(詳しくは「センター概要」の「設立経緯」をお読みください).
ボランティアの語源はラテン語 voluntas(意志,欲求,欲望)にさかのぼるそうです.つまり「困っている人たちの役に立ちたい,助けてあげたい」という,自分自身から湧き起こる気持ちがボランティア活動の出発点にあるのです(そういえば私がかつて暮らした2つの国,韓国と台湾では,ボランティアをそれぞれ「自願奉仕」,「志工」または「義工」と呼んでいました).
しかしカタカナ語である「ボランティア」は,ともすればその原義が忘れられ,企業や営利団体の「ただ働き要員」と捉えられることがないではありません.東京オリンピックにおけるボランティアのあり方が物議をかもしたのは記憶に新しいところです.
このような話を聞くとボランティア活動に二の足を踏む皆さんもいらっしゃるかもしれませんが,そこはどうかご安心ください.ボランティアセンターには専属の職員さんが学生スタッフとともに働いていて,皆さんが安心してボランティア活動に参加できるようサポートしています.実のところボランティアセンターにもこのような誤解に基づいた依頼が来ることもあるのですが,すべてお断りしています.ボランティアセンターが学生センター内の一組織として存在する意義がここにあるわけです.
実は,私がボランティアセンター長であるのは,大学内のこのような役職がいわば持ち回りであるという偶然の産物にすぎません.そのため,年度によって,ボランティアに造詣の深い教員がセンター長になることもあれば,そうではない私のような者が担当することもあります.私は2016〜2017年度に続き2期目の担当なのですが,素人であるだけに,学生とともに,というよりも学生の活動に加えてもらって活動している中でさまざまな発見がありました.
富士山麓の河口湖辺に咲く外来植物,オオキンケイギクの駆除ボランティアに参加したことがあります(『2017年度活動報告書』19-20ページをご覧ください).帰宅後,妻にその話をしたところ─現地担当者も現状を広く伝えてほしいと言っていました─,自宅のすぐそばに咲いている花がそれではないか,目立つ花なので気になっていたと言うのです.夜でしたが,行ってみたら,確かにオオキンケイギクでした.その後地元の市役所に妻が電話をしたところから話は長く続くのですが,今では市役所のサイトにも注意喚起の情報が出ています.
これは1つの例ですが,ボランティア活動とは大学の活動の中だけで終結するものではありません.ボランティア活動がきっかけになって皆さんの学内外の学生生活がより充実したものになれば,ボランティアセンターに所属する者としてこれほどうれしいことはありません.
皆さんがこのページを開いてくださったのは,ボランティアに何がしかの興味,関心があってのことでしょう.どんなことでも第一歩を踏み出すにはきっかけが必要です.このページをご覧になったことがそのきっかけとなっていただけることを願っています.
2023年4月1日
法政大学ボランティアセンター長
内山 政春(国際文化学部教授)