お知らせ

スポーツ健康学研究科の在学生が日本バイオメカニクス学会「JSB若手優秀発表賞」を受賞しました

  • 2025年12月10日
  • 受賞
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スポーツ健康学研究科博士後期課程の松田凌汰さんが「JSB若手優秀発表賞」を受賞しました。本賞は、日本バイオメカニクス学会が優れた研究発表を行った学生に授与するものです。

 

ヒトは、スポーツを含む様々な運動課題に対し、練習を通して動作を学習し、パフォーマンスを向上させます。この「運動学習」では、運動に生じる誤差を検出して修正することを繰り返すことで運動のばらつきが減少します。特に、リーチング課題や投運動など運動の成果が特定の目標位置への到達に依存する「目標指向型運動」では、到達位置のばらつきの大きさが学習の評価指標として広く用いられてきました。しかし、到達位置の誤差は単なる大きさだけではなく、方向をもつベクトルとして生じます。実際、熟練者の到達位置は運動特性や身体構造に基づいて特定の方向にばらつくことが報告されています(Shinya et al., 2017)。そこで、本研究は目標指向型運動における到達位置のばらつきが学習過程でどのように変化するのかを検討しました。ダーツ初心者を対象に、週に2日、8週間のダーツ課題を実施したところ、①到達位置のばらつく方向を一定に保ったまま、ばらつきの大きさを減少させるものと、②ばらつきの方向が日々変動しながら、大きさを減少させるものが存在していました。この結果から、到達位置のばらつきの大きさだけでなく、その方向も考慮することで、運動学習における多様な学習方略や制御戦略を明らかにする可能性が示唆されました。

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