「スポーツビジネスやスポーツマネジメントに関して研究しています」と語るのは代表の清水さん。「手掛けるジャンルの幅は広く、これまでにスポーツとSDGs、女子サッカーのWEリーグ※成功に向けての考察、eスポーツ(エレクトロニック・スポーツ)の展望など、多彩なテーマに取り組んでいます」。
「学年混合の班を組んで、協力し合いながら課題に取り組むグループ研究を通じて、学びの質を自分たちで向上させてほしい」と語る伊藤真紀准教授。ハードな課題に挑むことで、学生らの成長を刺激しています。
春学期は、毎週異なるテーマを対象に、研究成果をプレゼンテーション形式で発表。秋学期はグループを再編成し、アンケート調査を行ってデータを収集するなど、一つのテーマにじっくりと取り組み、より深く考察した結果を導き出しています。
「発表したら終わりではなく、発表に対するフィードバックを受けます。内容に関する質問以外にも、発表時の態度への指摘など、全員から多彩なリアクションが返ってくるので、すごく勉強になります」と語るのは茂木さん。「活発なやりとりを通じて、分かりやすい伝え方に気付くことができるので、自分のスキルが磨かれていると感じています」。
2020年は、対面での活動を避け、オンラインで意見をまとめて発表用資料を完成し、提出する方式に変更。「SNSなどを使った文字でのやりとりは、口頭とは違い、言葉をじっくり選んで意見を伝えられるという利点を感じました」と語るのは、4月から新ゼミ長となった山越さん。
自身も体育会に所属して競技に取り組む選手だけに「アスリートのキャリア形成について、研究を進めたい」と、次なる目標を見据えます。
「ゼミに参加して間もない頃、先輩が作った資料のクオリティーに驚き、これが1年間のゼミ活動の成果なのだと圧倒されました」と、1年前を振り返るのは向井さん。「今後は自分たちが手本を見せる立場になるので、先輩たちがそうしてくれたように、親身になって後輩をサポートしていきたい」と語ります。
多様なテーマに取り組むうちに、自身の将来につながる刺激を受ける人もいます。その一人が「コロナ禍における日本のスタジアム経営の展望を調べているうちに、スタジアム運営に興味が深まりました」と語る奈下惠さん。「スポーツをより楽しんでもらうための付加価値として、スタジアムでの食事や空間サービス提供などの仕事に就いてみたい」と自身の未来を描きます。
※WEリーグ:2021年9月に開催予定の日本初の女子プロサッカーリーグ。
(初出:広報誌『法政』2021年 4月号)
※今回はオンラインで取材しています。