お知らせ

【広報委員会:2025年度新任教員インタビュー】岡田 庄生先生

  • 2025年10月28日
お知らせ

 こんにちは!経営学部広報委員会の清板、岡田、石田です。このごろ急に秋めいてきましたが、いかがお過ごしでしょうか?

 さて今回は、2025年度より経営学部市場経営学科の准教授に着任された岡田庄生(おかだ・しょうお)先生にインタビューさせていただきました。岡田先生は、マーケティングやブランディングの研究をご専門とされており、学部ではマーケティング・マネジメントの講義を担当されています。インタビューでは、先生の研究への思いや、会社員から研究者を目指した経緯など、興味深いお話をたくさん伺うことができました。ぜひご覧ください!

1.まずは、先生の自己紹介をお願いします。

 市場経営学科准教授の岡田庄生です。ゼミではブランディングに関する研究を行っており、企業からテーマをもらって、グループでブランディングや広告等を考えるといった活動をメインに行なっています。

2.これまでの経歴について教えてください。

 2004年に大学を卒業した後、広告代理店の博報堂に入社しました。そこから21年間、博報堂に勤めた後、今年の4月から法政大学に勤めています。博報堂での21年の間には、いくつかのキャリアチェンジをしました。入社から数年間は、PRプランナーとして、企業の商品をメディアに取り上げてもらうための企画をしていました。その後、ブランドのコンサルタントを担当することになり、PRとは違い、「そもそもどんな商品を作るのか」「このブランドは今後どうあるべきか」といった戦略を考える仕事をしました。最後の数年間は管理職として、チームのメンバーがより良い仕事ができるようにサポートしたり、全体のマネジメントをするといった活動もしていました。

3.博報堂時代のお仕事の中で、一番印象に残ったものは何ですか?

 ある文房具メーカーの企業ビジョンを作る仕事のなかで、「20年後のその会社を考える」というコンセプトで、3ヶ月間もの間、会議やワークショップを繰り返しながら企業ビジョンを作りました。その時に導いた答えを企業の方に採用していただき、多少表現の仕方は変わっているものの、数十年たった今でもその会社では同じビジョンを掲げています。当初の目的でもあった「20年後の企業を考える」という目標が達成されていて嬉しいです。

 広告は、キャンペーンを打ち出してから3ヶ月ほどで終わってしまうなど、どちらかと言えばサイクルが早い仕事なのですが、ブランディングは中長期的な仕事なので、昔やった仕事が今でも生きていることがあります。そういった意味で、自分が手掛けたブランディングの仕事は印象に残っています。

4.会社員から大学教員という、全く新しい道に進もうと思ったきっかけは何ですか?

 私の大学時代の専攻は教育学で、人に何かを教えたりすることがもともと好きでした。入社して7年目くらいのとき、ある会社の先輩が法政大学の社会学部で兼任講師をされていました。その授業の講師陣の一人として、私にも声がかかり、久しぶりに教育に携わることになったのですが、あらためて面白さを感じ、いずれは教員になるのもいいなと思うようになりました。

 そこから数年後に法政大学大学院に入学し、働きながら修士と博士の学位を取得しました。博士論文の内容を元にした『ユーザー発案者効果』(碩学舎、2024年)という書籍を出版し、「日本商業学会賞 書籍部門奨励賞」という伝統ある賞をいただくこともできました。

5.最後に、法政大学の学生に伝えたいことはありますか?

 大学生という時期は、学生から社会人への転換期であり、教わる側から社会に貢献する側に変わる時期です。やりたいことがある人はそこに向かって進めばよいですが、それが見つかっていない人は、まず「稼ぐ」ことを考えるのも一つの方法です。「稼ぐ力」というのは単にお金の話ではなく、知識やスキルを社会に活かし、人に喜ばれ、感謝される力のことです。その力を伸ばす過程で、自然と自分のやりたいことが見えてくるはずです。どちらの道でも、自分なりにやりがいを感じる仕事を見つけていってほしいです。

【担当記者の感想】

・石田莉子

今回のインタビューで印象に残ったのは「お金を稼ぐ方法を考える」というアドバイスです。将来やりたいことの為にお金を稼ぐのではなく、やりたいことを見つける中で稼ぐのも一つの方法であるということを伺い、発想の柔軟さを感じました。マーケティングにおいても発想の転換となる新たな視点が大切だと仰っていたので、これからは広い視野をもって考えていきたいと思いました。

・岡田來恩

今回のインタビューで印象に残ったことは、「ブランディングは何十年後も残り続ける」ということです。自分と企業の間で考えた企業ビジョンが何年も残り続けるというのは、企業がこれから進んでいく道を決定するということになるし、ロマンがあるなと思いました。

・清板大輔

マーケティングやブランディングの研究は、法政大学の経営学部でも非常に人気の高い分野になります。そんな注目度の高い領域において、民間企業で多様な経験を積まれた岡田先生の視点は、我々学生にとって大変示唆に富むものだと感じました。

改めまして、お忙しい中取材にご協力いただいた岡田先生に感謝申し上げます。法政大学でのさらなるご活躍をお祈り申し上げます。今後もよろしくお願いいたします。

取材・文責:清板大輔(経営学部3年)、岡田來恩(同1年)、石田莉子(同1年)