こんにちは、経営学部広報委員の伊藤輝羽と橘田若奈です!
11月20日(水)経営学部広報委員会主催による講演会「3行で惹き付けるパワーライティング〜講演会はとんでもない石である〜」が法政大学大内山校舎Y604にて開催されました。
講師のひきたよしあきさんは1984年(株)博報堂に入社後、クリエイティブディレクターとして数々のCMを手がけ、政治・大企業のスピーチライターとしても活動されていました。2022年には株式会社Smile Wordsを設立し、現在はコミュニケーションの重要性を日本全国に伝えているコラムニストとして活動されています。また、大阪芸術大学でも教鞭を取られています。
今回は「発信力を高める」をテーマに、ひきたさんにご講演いただきました。
ここでは講演内容の一部を抜粋して3つご紹介したいと思います。
レッテルは脳みそを凍らせるFreezing Wordです。自分で自分を否定してしまうと脳はネガティブなことばかり思い出して、悪い情報を集めようとしてしまいます。
そこで、レッテルを曖昧な表現にすることで解決できます。具体的には「できないときもある」、「今日はできない」という風にです。こうすることによって、部分を限定するいわゆる部分否定のみに留めることができます。これならば自己肯定感も下がらないし、脳が悪い情報を集めてフリーズすることもありません。レッテル貼りをやめてみることがまず一番大事と言えるでしょう。
現代の日本人は、何かの感想を語る際「やばい」しか使わないように言葉の粒度が荒くなっています。
そこで、重要なのは「3フレーズ」で語ることです。例えば福岡で美味しい豚骨ラーメンを食べたとしましょう。「やばい、豚骨を濃縮したような濃厚なスープ、細麺とスープが絡まって箸が止まらない!」これだけで立派な食レポになりますよね。このように、言葉の扱い方に磨きがかかってくると、いかに端的にわかりやすく伝えるかが肝になってきます。
特にApple 社は”○○を、どうする”というApple Wordsを用いて、広告業界を震撼させました。"MacでEVフォーミュラーカーを開発する"といったように、Macを使うことで得られるメリットと既存のものから進化したイメージを明確且つ端的に表しています。Apple Wordsを覚えていれば、世の中のキャッチコピーの仕組みが垣間見えるかもしれません。
「自分はどんな人間ですか?」と聞かれた時にどれだけ自分を面白く売り込むかが大事になってきます。自分をAとして、なんの脈絡もないBを定義します。Bに着地するまで、自分を表現し続けます。
例えば「私は、たわしです。一見古めかしいように見えますが、物事をよく落とすという本質を見ることができます。」というように、自分を面白く見せるための発想が「AはとんでもないB」で生まれるのです。これは村上春樹さんが小説内でこのような表現をしていたことから着想を得ているそうです。この連想ゲームのような発想法を繰り返すことによって、自分の中の語彙力をあげていくことにも繋がります。
以上が講演会の内容の抜粋になります。
特に参加者の皆さんから「Apple Words」に関するご感想を多くいただき、深く印象に残ったようです。また、ひきたさんは博報堂に務めていた際に、採用活動で就活生のESを見ていたこともあり、重視して見る点や学チカの書き方など就活に関する話もしてくださいました。
講演後は「全く浅いESをずっと書いていたなと気付かされた」「本を一冊読んだかのような充実感を得た」「友達に誘われてきたが、今度からは自分から参加したいような講演会だった」など参加者の皆さんから多くの反響をいただきました。
経営学部広報委員会ではこれからもインタビューや講演会を開催し、法政大学経営学部を広めるだけでなく、学術的な学びをみなさんに提供していきます。
ひきたさん、この度はお忙しいところご講演いただきありがとうございました。
最後に、私たちの感想です。
ひきたさんに講演の依頼をした際に、私はひきたさんの言葉には力があると身に染みて感じたのを覚えています。講演会という場でひきたさんの言葉が加わると、依頼のとき以上に新たな発見があり、心を動かされる瞬間が数多くありました。楽しみながら発信力についての理解を更に深めることのできるよい機会となりました(橘田若奈)。
ひきたさんの講演を聞いて、所作や話し方や間の開け方全てにおいて長けているという印象を受けました。ひきたさんの持つ言葉の力強さの裏付けには、聞きやすい環境を整えてしっかりと伝えるという土俵が必要なのだと講演会を聞いて思いました。就活を間近に控えた2年生の今、この講演会を通してひきたさんの「言葉の重み」を知ることが出来たのは幸せなことだなと思いました(伊藤輝羽)。