こんにちは!経営学部広報委員会の鹿島菜央、竹之内あかり、吉村果那子、清板大輔です。
今回、私たち経営学部広報委員会は、法政第二高校出身で、法政大学経営学部経営学科をご卒業された髙口裕之(たかぐち・ひろゆき)さんにインタビューをさせていただきました。
髙口さんは、ミツカンで、マーケティングを長い間担当されていました。現在は、ご自身で創業された、マーケティング支援を行う株式会社タネトシカケの代表取締役をしつつ、株式会社はなまるうどんの最高マーケティング責任者として活動されています。髙口さんの仕事に対する思いを感じられる記事となっていますので、ぜひご覧ください。
マーケティングのやりがいの根幹は「みず知らずの人の役に立てること」だと思っています。若い頃は仕事において、自分の予測があたっていることを証明したいという気持ちが強かったです。しかし、年齢と経験を重ねるにつれて、意識のベクトルが自分本位なものから、他人本位へと変わっていきました。顔も知らない誰かですが、自分の仕事で幸せになってくれることにとてもやりがいを感じるようになりました。
それに関連して、「お客様」という言葉を極力使わないように心がけています。お客様という言葉は、あくまでも「既存顧客」に向けられたものだと思います。しかし、より価値があるマーケティングとは、「未顧客」を顧客化することだと考えるからです。まだ自社製品を知らない未顧客へのアプローチを大切にしている点で、「お客様」ではなく、未顧客を含んだ「生活者」という言葉を使っています。
経営学部への進学の決め手は、この学部が人の生活や心理に結びつく商売の学部だったことです。高校生の頃から、数学のような答えがある学問に苦手意識がある一方、逆に答えが決まっていないものに対して興味がありました。そういった意味で経営学部は自分の気性にあっていたんだと思います。
また、そもそも法政第二高校に進学した理由とも繋がりますが、法政大学が持つ「庶民派」な雰囲気や思想も魅力の一つだと思います。まさに校歌の一節である「進取の気象、質実の風」のようです。結構良い歌詞なので、校歌をよく知らない学生はぜひ一度聴いてください。
日本各地から集まった友人とコミュニケーションをとったことです。地域によって食習慣が違うということを肌で学べました。すき焼きの調理法を例にとると、関東は「煮る」が中心ですが、関西では「煮る」前に「焼く」工程があります。このような知識が、社会に出て、地域ごとに味を変えるアイデアに繋がりました。
他にも、多くのヒントを得たように思います。多様な人との出会いは、マーケティングの本質を理解するのに貴重な経験になるので、話しかけないのはもったいないです。
今までの成功と失敗を糧に、マーケティングを追いかけ続けたいです。マーケティングというものはつかみきれなくて、難しい。だからこそ、面白いんです。苦悩の末に生み出した商品を生活者の方から賞賛されて、「私でも人に喜んでもらうことできるんだ」と思った経験が、ずっと心に残り続けています。
私は「 Do the right things ( 正しいことをやる ) 」という言葉がすごく好きです。生活者にとって何が正しいのか、喜んでもらえるのかを考え続ける、この仕事に大きなやりがいを感じています。マーケティングという職を通じて、死ぬまでの間に、人に役立つことを一個でも多くしたいです。
夢と熱と意志を持って、自分らしく、自分を発揮して欲しいです。「法政の価値は、自分が作るぞ」という勢いを持ってください。それぞれが多彩な個性を発揮しつつ、互いの個性を認めあえるのが、法政の良さだと思います。
この世の中で活躍できるのは、諦めない人です。途中で挫折することもあるかもしれないし、スピードを緩めるかもしれません。重要なことは、止めないことです。
自分の持つ個性を大事に誰よりも努力し続けて、信念を持って自分の好きな方向へと走り出してください。
以上が髙口さんのインタビューになります。
インタビューを通して髙口さんからひしひしと感じてきたのは、仕事に対する一貫した熱意と情熱でした。自分本位から相手本位の商いを心がけ、人と人とのつながりを大切にし、多くの人を喜ばせるために市場全体にアプローチしたい。その手段としてマーケッターの仕事に全力を注ぐ姿勢は、激しい競争社会で生き抜くための心がけなどを含め我々学生にとって非常に参考になる話だったと思います。
また、繰り返し取材中で仰っていた「人とのつながりは大切にすべき」というアドバイスは、わかっているけれども中々実行に移せない大学生も多い中で、改めて重要性を再確認する機会になるのではないでしょうか。
取材・文責:鹿島菜央、竹之内あかり(4年)、吉村果那子(3年)、清板大輔(2年)