みなさんこんにちは!経営学部広報委員会の竹之内あかりです。
今回は、2024年度から経営学部へ着任された近藤大輔(こんどう・だいすけ)教授にインタビューをさせていただきました。
2000年に法政大学経営学部に入学し、在学中に公認会計士の資格を取得しました。その後、一橋大学の大学院に進学しました。予備校講師や監査法人での勤務を経て、現在は研究者として論文を書いています。
今年の4月から法政大学経営学部に着任し、「簿記入門」「会計学入門」「検定会計」といった簿記の科目などを担当しています。
研究分野は管理会計で、主にアメーバ経営を中心に取り扱っています。アメーバ経営とは、京セラの経営者だった稲盛和夫氏が開発した経営手法で、2010年に起こった日本航空の経営破綻を建て直す際にも活用されたことで知られています。「経営の神様」と呼ばれた稲盛氏の、いわば分身を作るために、管理会計を使うというのがコンセプトです。
JALの破綻後、2012年から私は神戸大学の先生とともにJALの破綻と再生に関する調査を開始しました。JALの会議や社員の方々などにインタビューを合計100回以上行い、アメーバ経営によって日本航空がどのように再生したのかについて論文を執筆しました。
その後、アメーバ経営を採用している他の会社を調査するなど、アメーバ経営を専門にして研究を続けています。
高校生のときに簿記の勉強を始めました。進学した高校は普通科でしたが、もともとは商業高校だったので、簿記の授業がありました。学校の授業は日商簿記3級レベルまでだったので、自分で勉強して日商簿記2級を取りました。
この経験から、資格試験として簿記を勉強する手ごたえを感じ、大学入学後、公認会計士を目指すようになりました。大学3年生の5月に受験した公認会計士試験の一次試験は、わずか1点足りずに落ちてしまいました。再受験のお金を工面するために、その年の夏休みは必死に働きました。幸いにも、予備校の奨学生試験では1位を取れたので、受講料は半額で済みました。経営学部の神谷ゼミに所属しながら、毎日自習室に通う生活を送り、大学4年生で公認会計士試験に合格しました。
その後は受験予備校や監査法人で働きました。25歳のときに大学院への進学を決め、神谷先生に相談したところ、一橋大学の大学院を推薦されました。一橋大学で、現在の研究分野となった管理会計やアメーバ経営を研究し、修士号と博士号を取得しました。
自分にしかできない仕事がしたかったからです。研究論文は、今まであるものを記載しただけでは良いものとして認められないので、自分で新しいものを作り出さなければいけません。これは自分にしかできない仕事ですから、モチベーションが自然と上がります。
教員の仕事については、これまでも会計士予備校の講師を務めたり、大学院卒業後に(現在はないのですが)法政大学会計大学院の教員を務めるといった経験がありました。自分らしい授業をすることは楽しく、自分に向いていると思っています。
好きなものを見つけて、身につけてほしいです。例えば、簿記の授業を受けて簿記を好きになると、すぐに身につきます。簿記ができるようになれば、公認会計士や税理士への道が広がります。簿記に限らず、サークルでもゼミでも、まずは自分が興味を持てることや好きになれるものを探してみてください。
しかし、自分が行動しなければ何も始まりません。簿記も、授業を受け、問題を解かなければ好きになる機会がないし、ゼミも探さなければ好きになる機会がありません。様々なことに挑戦する機会をとにかく増やして、自分が夢中になれるものを見つけてほしいです。
私自身は簿記に関心があるので、近藤先生がなぜ研究者を目指されたのかというお話は興味深く、今回のインタビューは貴重な経験になりました。仕事への向き合い方を確立し、ご自身が納得できる選択をされてきたことは、特に印象的でした。今の自分にはどんなタイプの仕事が合うのかはまだ分からないので、様々なことに挑戦し、好きなことを探していきたいです。
近藤先生、この度はお忙しい中インタビューのお時間をいただき、ありがとうございました。終始気さくにお話しいただき、楽しい取材をさせていただきました。これからもよろしくお願いいたします!
取材:竹之内あかり(経営学部4年)