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【2023年度新任教員インタビュー】ヤナ・ウルバノヴァー准教授

  • 2023年06月28日
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みなさんこんにちは!経営学部広報委員会の伊藤璃音(3年)、小沼綾音(3年)、中野凌汰(2年)です。
今回は、2023年度から経営学部へ着任された、ヤナ・ウルバノヴァー先生にインタビューをさせていただきました。

Q1. 先生の自己紹介をお願いします。
 初めまして、Jana Urbanova(ヤナ・ウルバノヴァー)と申します。出身は日本から約9000km離れたスロバキアです。

スロバキアのコメニウス大学で、日本語と異文化間コミュニケーションを専攻していたとき、琉球大学に1年間留学する機会があり、沖縄の「琉歌」に出会いました。琉歌の魅力に惹かれ、現在まで研究し続けるテーマとなりました。専門は日本文学で、琉歌と和歌の表現比較研究を行っています。特に、琉歌と和歌の類似性や琉歌の特徴に興味を持っています。
 今年の4月から法政大学経営学部に着任し、GBPプログラムや他学部生向けの「Elementary Humanities A」および「Humanities A」という科目のほか、市ヶ谷リベラルアーツセンター(ILAC)の英語科目も担当しています。


Q2. どうして教員を志したのですか。
 理由は主に2つあります。1つ目の理由は、教員の仕事にやりがいを感じたからです。自分が勉強する際に直面した「様々な困難をどのように乗り越え、問題の理解に辿り着いたか」について、同じ悩みを抱える学生たちに分かりやすく説明したいという思いがありました。また、知識を獲得することの喜びを学生たちと共有できることは、私にとっても非常に意味のあることです。勉強や研究には困難が付きものですが、学生たちには課題をクリアしたときの達成感を体験してもらい、その過程を見届けたいという気持ちがありました。
 2つ目の理由は、教員の仕事に憧れを持っていたからです。子どものころから、学んだこと、体験したことを、誰かに伝えたり教えたりすることが好きでした。特に語学の勉強は、相手とのコミュニケーションを図るための重要なツールであると考えています。グローバルな社会で活躍するためには、様々な国の人々とのコミュニケーションは不可欠です。自分が培った知識やメソッドを相手に伝える教育もコミュニケーションの一環です。コミュニケーションというのは、一方的なものではなく、相互に行われるプロセスです。私が学生の皆さんに勉強を教える過程で、自らも皆さんから様々なことを学び、気づかされ、自己成長に繋げることができます。教員は、このような相互の学び合いが行われる素晴らしい職業だと考えています。

Q3. 多くの大学の中から、法政大学経営学部にお越しになった理由は何ですか。
 法政大学は、現在グローバルなアプローチが重視されている現代社会のなかでも、優れたSGU(スーパーグローバル大学)を提唱している大学です。学内では非常に国際化が進んでおり、多様性や異文化に対する理解を大切にしながら、学問の自由を奨励する環境が整っている大学だと思います。
 また、私は、大学院から法政大学で学んでいましたが、その当時から法政大学は非常に国際的で、多様性への理解や学問の自由が強く感じられる大学で、そのことが深く印象に残っています。

経営学部に関しては、日本の私立大学のなかでもとても古い歴史を誇る学部であり、GBP(グローバルビジネスプログラム)という英語のプログラムや、SAという留学制度も非常に充実しています。そのような教育環境のなかで、私の専門知識や英語能力、留学経験や異文化理解などが皆さんの参考になればと思い、経営学部に来ることを決めました。


Q4. 先生の学生時代についてお聞かせください。
 子供の頃は、外国語と本を読むことが好きで、好奇心が旺盛だったと思います。大学進学を考えるとき、スロバキアでは珍しかった日本語を学べるコースがあることを知りました。日本語という、ヨーロッパとは全く異なる語学に挑戦できるという魅力から、私はコメニウス大学に入学しました。
 大学で日本語を学ぶには、高いレベルの英語力が求められました。そのため、日本語はもちろんのこと、幼少期から勉強してきた英語に関しても一層力を注ぎました。なぜなら、専門知識と外国語を活かして、大学で働きたいという希望があったからです。
 また、留学の機会にも恵まれました。琉球大学で過ごした1年間では、多くの日本文化に触れ、日本文学、とりわけ琉歌と和歌に深い関心を抱きました。一方で、自国の文化のルーツや、自分自身のアイデンティティについても意識するようになりました。
 留学前までは考えもしなかった日本文化との出会いによって、私の意識と思考が変わりました。異国文化の理解が深まり、世界を様々な角度から考えることができるようになりました。日本文学や留学を通じて、私の世界観は豊かになり、視野も広がりました。

Q5. 最後に、学生に向けたアドバイスをお願いします。
 失敗や未知のことを恐れずに、知識と経験を重ねて視野を広げてください。現代の社会はグローバル化が進み、多様な文化と触れ合う機会が増えていると思います。法政大学には毎年、多くの留学生が学びに来ており、日本の学生も海外の大学へ留学する機会が増えています。留学が難しい場合でも、大学内での国際交流イベントに参加することができます。多様な文化背景から来ている学生と繋がるきっかけを作ることができるのです。

このような触れ合いの中で、外国語能力の上達はもちろん、異文化理解を深めることができ、相手の文化の価値とともに、自分のルーツや母国の文化の価値にも気付くことができます。時には知らないことや驚くようなことにも出会います。しかし、「外国語を正しく使えない」、「相手の習慣を知らないから失敗が起こり得る」などといったことを恐れずに、積極的に経験を重ねてほしいと思います。
 人生は楽しいことだけでなく、困難なことや辛いこともありますが、とくに若い時の苦労は買ってでもした方が良いと思います。それを乗り越えた経験が、人生をより豊かなものにするでしょう。

以上4点の他にも、異文化理解や言語のルーツ、ことわざなどについても興味深いお話を伺うことが出来ました。その中でも特に、「失敗を恐れずに壁を乗り越えた先に見える景色がある」と仰っていたのが印象的でした。 学内での国際交流イベント等を活かし、 様々な文化に触れ、日本文化のアイデンティティを見出したり、異文化理解を深めたりしていこうと思います。(中野)
自分にとって驚くような異文化も、否定することなく理解しようとすることが大切だというお話がとても印象に残りました。貴重なお話ありがとうございました!(小沼)
私は、外国語でコミュニケーションをとることに対して苦手意識を感じています。今回のインタビューを通して、失敗を恐れずに挑戦していくことの重要性を学びました。今後は「苦労を乗り越えた先には成長が待っている」と信じて、積極的にチャレンジする姿勢を大切にしていきたいと思います。(伊藤)

ヤナ先生、この度はお忙しい中インタビューのお時間をいただき、ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

取材:伊藤璃音(経営学部3年)、小沼綾音(同3年)、中野凌汰(同2年)

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