お知らせ

【西川英彦ゼミ『ぺらっぷ』インタビュー】

  • 2023年03月09日
お知らせ

みなさんこんにちは!広報委員の伊藤璃音、小池凜、渡辺真弓です。
今回は、経営学部の西川英彦ゼミ4年生の齊藤響さん、深山征秀さん、桝田梨央さん、平田愛果さんにインタビューしてきました。
齊藤さん、深山さん、桝田さん、平田さんの4人は、チームで実際に商品化を目指す全国ゼミ対抗の商品企画プロジェクト「Sカレ(Student Innovation College)2021」において、『ぺらっぷ』を企画し、テーマ優勝、マーケティング学会賞、学生賞を受賞し、『ぺらっぷ』を商品化する権利を得ました。
『ぺらっぷ』は、ピアノ演奏者の94%が抱えるという「演奏中の楽譜めくり」に関する悩みを解決する商品です。
『ぺらっぷ』を楽譜のページの間に交互に挟み込み、その上を触ってめくるだけで、紙同士がくっついて2枚めくれてしまうことを防ぎ、1枚ずつめくれます。
また、クリアシート素材で出来ているため譜面を隠すことがなく、約33gと軽量なため持ち運びにも便利であるという特徴もあります。
今回は、『ぺらっぷ』の商品化を実現させた4人に、ピアノ演奏者に向けての商品を作ろうと思った理由や商品化するうえで苦労した点、『ぺらっぷ』の由来、商品化が実現した時の感想をお聞きしてきましたので、ぜひご覧ください!

1. なぜピアノ演奏者に向けての商品を作ろうと思ったのですか?
美販様から提示されたテーマが「クリアシートを使った便利グッズ」であったため、クリアシートに着目して考えることにしました。話し合いを進めていく中で、「塾でバイトをしている時、採点中に紙をめくるのが大変だった」という意見が出ました。その意見から、チーム内のピアノ経験者2人が「ピアノを弾いている時、楽譜めくりが大変であったこと」を思い出したのです。誤って2枚めくれてしまったり、タイミングがうまくいかなかったりと、楽譜めくりがうまくいかずに演奏が中断してしまった経験がある演奏者は多いのではないかと考えました。そこで、数々のピアノ経験者が抱える譜めくりの難しさに着眼し、もっと楽譜を簡単にめくるためのサポート商品を開発しようと思ったのです。(斎藤)

2.「ぺらっぷ」を商品化するうえで大変だった点や苦労した点について教えてください。
『ぺらっぷ』を形にして行く中で「どのようにしたら1番使いやすくなるのか」というように商品の形状を考える点が大変でした。価格面や加工技術、使いやすさなど美販様と相談を重ねながら、ギリギリまで時間をかけて形状を決めていきました。(斎藤)
大変だったのは、『ぺらっぷ』のパッケージを作ることです。商品のパッケージを作るのは自分にとって初めての経験でした。様々な商品のパッケージを調べ、「こういうデザインであったら『ぺらっぷ』に合いそうだな」というのをたくさん調べました。また、企業とやりとりをする中で「Illustrator」というソフトの使い方を勉強する必要があったりと、パッケージの作成には苦労しました。(深山)
ニッチな市場であったため、『ぺらっぷ』を知ってもらうためのきっかけづくりが大変でした。「どのようにしたら商品を手に取ってもらえるのか」を考えるのが難しかったです。「自分たちが商品開発をする中で頑張ってきたこと」を知ってもらった方が良いのか、あるいは「商品自体の面白さ」を伝えた方が良いのか悩みました。結果的に両方とも取り入れたのですが、今振り返るとTikTokなども活用できたら良かったのかなと思います。(桝田)
特に大変だった点は、コスト面を考えることです。当初、クラウドファンディングはしない方向性でいました。しかし、木型に多くのお金がかかることからクラウドファンディングをしなければならない状況に陥ったりと、紆余曲折ありました。(平田)

3.「ぺらっぷ」という商品名が親しみやすくて素敵ですが、どのようにして思いついたのですか?
以前に本條先生がおっしゃっていた「パ行の言葉を入れた商品は売れやすい傾向にある」という知識を取り入れたいという思いがありました。
この商品の魅力でもあるぺらっとめくる動作の擬音にパ行があることから、「ぺら」という単語を取り入れることが決まり、そこにパ行でもあり楽譜の「譜」の意味を込めた「ぷ」を入れることで『ぺらっぷ』という名前が生まれました。
最初の段階では、「ぺらっ譜」であり、「ぷ」は楽譜の「譜」をあてて読ませていました。しかし、読み方が「ふ」か「ぷ」か分かりにくいという課題があったことや、ターゲットとしていた小さな子どもたちにも親しみをもって読んでほしいという理由から、全てひらがな表記の商品名『ぺらっぷ』に決定しました。(斎藤)

4. お店に「ぺらっぷ」が並んだ時 (「ぺらっぷ」を商品化することができた時) の感想をお聞かせください。
島村楽器様から売れ行き状況に関する連絡を聞いた時は「本当に売れるんだ」という感覚になりました。商品を作って売り出す難易度の高さを乗り越え、実際にお客さんに手に取ってもらえることを知った時の嬉しさはすごく大きかったです。
また、クラウドファンディングで発売開始を企画した際などに、Twitterでの告知に対して「こういう商品本当に欲しかった」という引用リツイートなどを見た時も、とても嬉しかった感覚を覚えています。(斎藤)
自分が開発した商品を店舗に見に行った時よりも、先輩や友人から「売っているところを見に行ったよ」と連絡をもらえたことが何よりも嬉しく感じました。そういう連絡をもらうことで「商品を作りあげたんだな」と実感し、とても嬉しかったです。(深山)
ゼミに入った時から「自分たちが考えたものが本当に商品化ができるのだろうか」と思っていたので、それが実現できたことはとても嬉しかったです。
店舗に足を運んで実際に商品を目にした時は、人の温かさや助けがあったから生まれた商品であることを実感したとともに、店頭に並ぶことで新たな人との繋がりを持てることを感じ、とても嬉しく思っています。(桝田)
「実際に商品になり、どんな形で売られているのか」想像が付いていませんでしたが、普段買っている商品と同じように『ぺらっぷ』にもバーコードがついて、お店に並んでいるのを見た時はとても感動しました。お店に置かれた『ぺらっぷ』からは、紆余曲折を経て商品化したことがお客さんには全く分からないような状態だったので、自分が何気なく見ている商品の背景にも様々なストーリーがあるのだなと思うようになりました。(平田)

写真左より、平田さん、桝田さん、齊藤さん、深山さん、伊藤さん、小池さん。

5. 取材を終えて (担当記者より)
インタビューをしていて、4人が楽しそうにその時のことを思い出しながら話していた姿がとても印象的でした。商品化するプロセスにはたくさんの苦労があるからこそ、商品化が実現し消費者が実際に商品を手に取ってくれた時は、喜びが大きいのだなと実感しました。商品化という目標に向かって多くの困難を乗り越えてきた4人のように、私も「やると決めたことは最後までやり遂げる」ということを大切にしていきたいと思います。(伊藤)
インタビューの中だけでもチームワークの良さが垣間見れ、商品企画や開発をしていく上でチームワークは大切なのだと感じました。また、商品化は自分たちで作るだけではなく売り手や作り手が関わっていて簡単ではないということを改めて「ぺらっぷ」を商品化した皆さんから聞いて実感しました。私自身の今後の活動において大切なことを聞けたと思うので今回インタビューしたことを思い出しながら活動していきたいと思います。(小池)
商品をひとつこの世の中に生み出すことの苦労や過程をひしひしと感じました。そう簡単ではないことばかりであったはずなのに、やり遂げた今4人の先輩方がとても楽しかった思い出のように語られている姿はとても素敵だなと感じました。また、私のまだ感じたことのないような感覚が商品化の先にはあるのだなと思いました。自身のレベルアップの為にもその商品ひとつが生み出される裏側までしっかり知ることができたことをこれからに活かしていきたいです。(渡辺)

齊藤さん、深山さん、桝田さん、平田さん、この度はお忙しい中インタビューさせていただきありがとうございました!