お知らせ

【大学院生インタビュー】

  • 2022年07月15日
お知らせ

こんにちは!広報委員会の橘颯大、小池凛、中島有彩です。

現在の日本では少子高齢化が進み、今後労働人口が減少して行くことが予想されます。そのような中で限られた経営資源となる人材を効率的に活用することが、企業に求められていくことになります。
今回は、これから企業にとってより重要な経営資源になっていくことが予想される人材について大学院で学ばれている社会人大学院生の今井真哉(いまい・しんや)さんにインタビューをさせていただきました。今回の記事を読んで大学院経営学部研究科に興味をお持ちになった方は、是非7月16日(土)の大学院経営学研究科 MBAセミナー・進学相談会にご参加ください。詳細はこちらのURLからご確認ください。https://www.hosei.ac.jp/.../info/article-20220602122849/

1.まず、これまで経験されてきたお仕事について教えてください。

私は25年間ほどサラリーマンとして働いており、その中で2回転職をして、合計3社で仕事をしてきました。
新卒で入社したのは、総合デベロッパーです。その会社では、はじめの3年間はマンションの企画・開発の部署にいました。しかし、それまでマンションなんて作ったことも、売ったことも、買ったことも当然皆無で、苦労することも多かったです。その後、人事部に異動することになりました。「人材」のことを常に考え、人に影響を与える仕事は面白く、この仕事を続けたいと思いました。
1社目には通算約8年在籍し、30歳の時に自動車メーカーへ転職、本社の人材育成部門で6年間、さらに中国の現地法人へ赴任し、4年間人事課長を務めました。帰国後、2度目の転職をして、現在の化学メーカーに移りました。今はその会社の関連会社で、人事部長の仕事をしています。

2.社会人として働きながら、法政大学大学院に進学されたのはなぜですか?

私は人事の仕事に携わるようになってから、規模や国が異なる複数の会社で人事の経験を積んできたことから業務経験は豊富だと思います。しかし、きちんとした理論を学ぶ機会がないまま現在に至っているという問題意識がありました。そのため、人的資源について学問的なアプローチから学びたいと思ったのが、進学を決めた一番大きな理由です。
また、コロナ禍で学習環境が変わったことも、その決心を後押ししてくれました。在宅ワークが中心になり自由な時間が増えたこと、大学院の授業がオンライン中心になり、働きながら学ぶことが容易になったことが大きかったです。
法政大学大学院の経営学研究科・夜間社会人コース(ビジネススクール)には5つのコースがあり、私はそのうち「人材・組織マネジメントコース」に所属しています。「人材・組織」に特化したコースはとても珍しく、法政大学を選ぶ決め手になりました。夜間の授業は生徒も少数で同じ社会人学生同士でのディスカッション中心の授業は刺激がありますし、修士2年目は修士論文執筆に向けて担当教授にマンツーマンで手厚い指導を受けられています。学費に対して受けられる授業の質や先生方のレベルが高く、また、大学内の様々な施設が使え、コストパフォーマンスが大変高いことも、法政大学の大きなメリットだと思います。

3.大学院で学んでいること、また学びが実際の業務にどのように役立っているかを教えてください。

1年次は、授業を受け、理論を学び、レポートや課題などをこなしますが、2年次には本格的な修士論文の執筆が中心です。研究は、自分で問いを考え、その問いに対して答えとなる仮説を立て、検証するという作業です。
私の研究テーマは、子会社の経営人材に関する事例研究です。世の中には、大企業の親会社に関連する子会社やグループ会社が圧倒的に多いのが実情です。しかし、子会社の経営人材にフォーカスした研究は少なく、社会的に意義のあるテーマだと感じています。
また、先ほどもお話ししたように、私は子会社の人事部長を務めていますが、実は親会社からは「次の社長はどういう人材であるべきか、考えてみろ」と言われています。この研究テーマは、私自身の実務とも直結しているのです。
実務を遂行する上で重要なポイントは「物を見る視座」です。さまざまな視座を用い、自分の立場だけでなく、相手の立場に立って物事を考えることが必要になります。しかし、複数の視座から物事を見ることは、意外に難しいことです。その視座に立った経験がなかったり、経験そのものを忘れてしまったりすることが原因です。そのような時に、自分を補ってくれるものが学問、つまり授業で習った知識や理論だと考えています。

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4.取材を終えて(担当記者より)

法政大学では社会人大学院が多く開講されています。今回の今井さんへのインタビューを通じて、社会人大学院の意義や、経営学研究科での研究内容を実際に知ることができました。また、現在今井さんが研究されている、人・組織のマネジメント以外にも、実務の上で必要となる「視座」のお話を伺うことができました。知識や理論がどのように実際に役立つかを知り、何気なく通っている大学の授業への向き合い方についても、もう少し貪欲にならねばと思いました。(橘颯大)

私は、ある会社に就職したら、不満がない限り定年まで働き続けるものだと考えていました。しかし、今井さんからステップアップするために転職をし、さらに現場だけでは分からない知識を学ぶために大学院にも通っているというお話を伺い、刺激を受けました。何歳になっても勉強というものは必要であり、挑戦することが大切なのだと感じました。(小池凛)

物事について考える際に、視座を変えてみるというお話が、特に印象に残りました。大学院での学習を通じて様々な知識・理論を学び、そのメガネを通して一つの物事を見つめることで、違った見え方になるということでしたが、様々な視座を持つということは簡単ではないと感じます。私もたくさんの視座を持てるよう、大学や課外活動を通じて積極的に学んでいこうと思いました。(中島有彩)

 

今井さん、この度はお忙しい中インタビューにご協力いただき、ありがとうございました!
取材・文責: 橘颯大(2年)、小池凛(1年)、中島有彩(1年)