お知らせ

ひきたよしあき氏 オンライン講演 「言葉の力 広報の力〜プロフェッショナルの発信力を学ぼう〜」

  • 2021年06月29日
お知らせ

こんにちは! 経営学部3年、広報委員の大澤怜央です。

 突然ですが、皆さんは「広報の力」と聞いて、最初に何を思い浮かべますか?私は、CMを思い浮かべました。これまでは、視聴している番組の間に入るCMが邪魔で嫌いでしたが、最近は企業の広報として自主的に見ることが増えました。それは、テレビやYouTubeなど、メディアを通じて流れるCMには各企業の伝えたいことが詰まっていると思うようになったからです。15秒から30秒の限られた時間で、どれだけ商品やサービス、会社の取り組みなどを知ってもらうか、どうすればより多くの人に伝わるかが考え抜かれているのがCMなのだと考えるようになりました。

 それを確信に変えたのが、4月28日(木)にオンラインにて実施された、ひきたよしあきさんの講演会でした。講演では「言葉を強化する方法」や「広報力を向上させる3つの取り組み」について、わかりやすくお話しをいただきました。内容をご紹介します。

1.言葉を強化する方法

 私達は普段、人前で話す機会が多くあると思いますが、そのとき、自分が本当に伝えたいことを簡潔に伝えられているでしょうか。

 ひきたさんによれば、私達の言葉の力は天性の才能ではなく、練習を積み重ね、努力して身に付ける力であるとのことです。そのため「言葉の強化」を常に心がけることで、話す力・伝える力は成長し、相手に伝わりやすい話し方を身に付けられると仰っていました。

 訓練方法の例として、「30秒間で図形を10個言ってみる」「今自分がいる場所の情景描写を声に出してする」などを紹介してくださいました。一見簡単そうに思えますが、実際に私も挑戦しその難しさを実感しました。7つまでは思いついたのですが、とっさに10個の図形を言うのはまだまだ練習が必要だと感じました。また、30秒間で10個言えるようになる頃には自分の言葉の幅もさらに広がるのだと確信しました。

 

2.広報力を向上させる3つの取り組み

 自分自身の言葉を強化する一方で、他者への伝え方=「広報力」を鍛えることも、これからの時代には必須です。そこで、広報に必要な力を身につける以下①~③の取り組みを教えていただきました。

① 物語共有シート

 まずは、広報力の基礎的な型を身に付けるために、次の6つのカテゴリ―に分けて、自分の思いついたこと、考えていることを書き出し、可視化することが大切だと教えていただきました。

「⑴ チャンスをここに見た→⑵だからこれを作る→⑶この人たちに知らせたい→⑷作るための苦労とこだわり→⑸他との違いを表す→⑹お客様へインタビューをする」

 このように可視化して考えれば、商品やプロジェクトを広報する際に、一つの「物語」として伝えられ、共感を得やすくなるそうです。現在私は、ゼミで企業の商品を効果的に宣伝するための提案をするプロジェクトを行っています。そういった機会で、物語共有シートを利用したことで、販売促進のヒントに繋げることができました。書き出して、考えを可視化することの重要性を再度実感しました。

② カンカラコモデケア

 表現力を向上させるには、「カン(感動)・カラ(カラフル)・コ(今日性)・モ(物語)・デ(データ)・ケ(決意)・ア(明るさ)」の7つを意識することが大切だとひきたさんは仰っていました。

 つまり、感動した人たちの生の言葉を使い、相手の頭に色が浮かぶように表すこと。今大切なことを、障害を乗り越え、不屈の精神で成し遂げてきた「物語」として表現すること。そして、数字的な裏付けを加え、社会の何に貢献しようと決意しているのかを、相手をワクワクさせるような明るい言葉で伝えること。

 たしかに、これらの表現ができれば、他者の共感だけでなく、感動を呼ぶことができると感じました。今後は広報委員会の活動において、この「カンカラコモデケア」を全体で共有する目的意識として、取材や記事作成に臨みたいと考えました。目的意識の共有を円滑に進めることで、記事を書く際の統一感や影響力も向上させる要因だと考えました。

③ 反対意見をも飲み込むヘーゲルノート

 最後に、ヘーゲルの弁証法を用いたノートを紹介してくださいました。

 フランスの小学校では、ノートの左側のページを上下で分け、上に「意見」、下に「反対意見」を書くようにし、右のページでは双方をふまえた意見を書くように教えられるそうです。それは、議論を意見と反対意見だけで完結させるのではなく、多様な意見を考慮した上で、さらに高い次元から答えを導き出す方法だと紹介いただきました。議論をする上で、反対意見が発生することは不思議ではありません。そこで、あらゆる議論や話し合いに対して、このヘーゲルの弁証法を用いた考え方・ロジックを頭の中で行えるようにすることが重要なのだと感じました。それができるようになれば、組織としての質も向上することが可能になると考えました。
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以上ひきたさんの講演は、広報委員の私にとって、取材時や記事を書く時、具体的に何を意識すればいいのかを教わりました。特に、カンカラコモデケアは、広報委員会をより良い団体へ成長させてくれるキーワードだと確信しました。次の記事から利用し、身に付けることで、広報の枠に留まらず今後の様々な機会に役立ててきたいと考えました。

ご講演の後は、アフターセッションという形で、ひきたさんに広報委員としての個人的な疑問点を質問したり、アドバイスを頂いたりしました。中でも、今後の広報委員会としての活動に対するアドバイスとして、「法政大学を広報する」といった意識や取り組みのお話が印象的でした。私達が想定していたイメージとは異なる発想で、新しい方向性を提示してくださいました。考え方次第ではそういった発想もできるのだと学び、発想の壮大さに、ワクワク感がこみ上げてきました。今後は、さらに広報委員会について考えていきたいと思いました。

ひきたさん、この度はとても勉強になる講演ありがとうございました。この機会で得た知識を活かし、今後は広報委員会をさらに影響力のある組織へ成長させたいと思いました。