お知らせ

【学部長インタビュー】withコロナでの学びを探って

  • 2021年02月01日
お知らせ

こんにちは!経営学部広報委員の岩佐と永井です。

2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大によりイレギュラーなことが多い1年でした。そこで今回は、2020年度の授業を振り返るとともに、今後の授業の形について伺うため、経営学部長の佐野哲先生にインタビューをさせていただきました。

 

1、 コロナ禍の授業はどのように進められたのでしょうか?

多くの教授がZOOM等を使用したオンライン配信型の授業を実施しました。学部長として他の方法を試してみようと思ったので、ツイッターを活用したライブ配信授業を進めました。例えば、授業時間になったら資料や解説、参考になる動画のリンク等を投稿するといった方法です。

来年度以降もオンライン授業が中心となりますが、ライブ配信型だけでなく、ビデオによるオンデマンド授業を増やす予定です。これにはソーシャルディスタンスを保ったままだと、教室に入る人数が通常の半分程度となってしまうことや、今年度の取り組みを通して、決まった時間に講義を実施することへの抵抗感が生まれたという理由があります。今後は、対面、オンライン、オンデマンドという3種類の授業方法をどう組み合わせて学生の学びをサポートしていくかを考えることが課題となります。

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2、 オンライン授業の教員の方からの評判はどうでしたか?

教員側からの評判としては、意見が2つに分かれました。

オンライン授業の評判が良かったのは、数字を用いた分析系の科目です。データの共有や、PCを使った分析の仕方等は実演をその場でできるため説明しやすく、学生の理解も深まり、質の高い授業になったからだそうです。

一方で、講義がしづらいと評判が良くなかったのは、思想系や政治系の講義です。対面の授業では、多少のジョーク等を交えて率直に話していましたが、オンラインではネット上に残ってしまうため、誰が聞いてもいいような当たり障りない内容になってしまいます。また、学生の反応が分からないため、聞き手側に合わせて話すことの難しさも問題としてあがりました。

来年以降もオンライン授業が中心になるため、対応策として、テレビ番組の収録のようにビデオ授業を作ってみたら良いのではないかと考えています。具体的には、対面での観覧希望者を募り、少人数での授業を後ろから撮影し、その動画をオンデマンドとして配信するという案です。少人数だけでも対面で、学生と教授がやり取りできることで、授業が進めやすくなり、対面の良さを残しながらオンライン授業が出来るのではないかと考えています。ただ、撮影や編集の技術が必要になるため、メディアに興味のある学生と協力して取り組む等の工夫が必要になると考えています。

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3、コロナ禍での学生の学びについてどう考えていますか?

全ての授業がオンラインに切り替わるに伴い、自主的に学び、力を向上させることができる学生と、そうでない学生の差が顕著に出ているように感じました。前者においては非常に良いことですし、そのまま継続してほしいと思います。

ここで問題となるのは後者の学生です。彼らの割合が一定量増えてしまっていることに対し、学部長という立場としては不安に感じています。オンライン授業であれ、大学の授業を受け、その結果が成績や単位として数値化されてしまう以上、自分のしたことは自分に返ってきます。そのため、進度が遅れてしまっている学生は、その分今後の大学生活において苦労をすることになってしまいます。ですから、彼らにはここで踏ん張って学びを続けて欲しいと思っています。

そして、そこで必要となってくるのが「ピアラーニング」だと私は考えています。正課外で学生たちが顔を合わせ、理解が追いついていない学生に対し、学習が進んでいる学生が教え、さらに自分自身の理解を深める。または友だちと一緒に課題に取り組むことで、モチベーションを維持し、新たな発見をする。これらもまた一種のピアラーニングです。こんな一見簡単なことですら、このコロナ禍において困難になっています。この状況は当分続きますから、厳しい環境下でいかに学生同士で学び合うことができるか、これがとても重要になると思います。

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