お知らせ

ゼミ・研究室紹介:国際文化学部国際文化学科 佐藤 千登勢 教授ゼミ

  • 2022年10月19日
お知らせ

映画を題材に 多彩な意見を交換 思考力を鍛える

映画を題材として、差別や格差、戦争など、さまざまな問題に向き合い、ディスカッション形式で思考力を鍛えている佐藤千登勢教授ゼミ。「学生の能動的な力に期待して、見守っています」と佐藤教授が語るように、活動の主体は学生です。

学生が自発的に行うサブゼミも活用して、佐藤教授や学生が推薦する作品を視聴し、映画に込められたメッセージをひもときながら、内在する問題を話し合います。授業後は展開された議論を要約したり、全員が提出する「映画鑑賞記録」から注目見解を選び出したりして共有。そうして思考を言語化する力を養っています。

バットマンの敵役であるジョーカーの誕生秘話を描いたハリウッド映画『ジョーカー』を推薦したのは、ゼミ長の三瓶さん。「社会的な格差や貧困の中で、弱者から悪のカリスマになるまでが描かれていて、正常と狂気の境界、善と悪の判断について、幅広い意見が聞けると思いました」と、議論の種を投げかけます。

夢に入り込んで、潜在意識にアイデアを植え付けるという、SFを題材にしたハリウッド映画『インセプション』を選んだのは宮内さん。「人間の内面の話だけに、興味深い議論が交わされました。幅広い意見を受け取ることで多角的に視野が広がり、自分は何を信じるのか、総合的に判断する力が養えると感じています」と、成長の実感を語ります。

七つの大罪をモチーフとした映画『セブン』を通じて、「都会の無関心」に着目したのは渡辺さん。「無関心でいることを、皆はどう感じるのか、それは罪なのか。映画を介した問いかけに、十人十色の答えを知ることができるのが、このゼミの面白さだと思います」と目を輝かせます。

コロナ禍で、対面授業が制限されていた時は、あらかじめ各自で作品を視聴してから、ビデオ会議ツールを利用してグループディスカッションを実施。「さまざまな制限はありましたが、対面の授業の時よりも時間に余裕があったので、濃密な話し合いができました」と語るのは古澤さん。「意見を伝える努力をする中で、自分の思いや感情を言語化していく能力を培うことができたと思います」と、自身の成長を喜びます。

「どんな意見でも肯定的に受け止めてもらえるので、人前で話すことへの苦手意識がなくなりました」と語るのは、佐藤さん。「ゼミでは、議論の最中も、お互いを尊重し合っています。その雰囲気を守りながら、何でも言えるような関係性を築いていきたいと思います」と、ゼミの未来に期待を寄せます。

(初出:広報誌『法政』2022年8・9月号)

※今回はオンラインで取材しています。

  • 上段左から、佐藤千登勢教授、三瓶潤さん(ゼミ長)、佐藤彩夏さん(ゼミ長)、下段左から、渡辺遥斗さん、古澤咲良さん、宮内智也さん *全員、国際文化学部国際文化学科4年

  • 2022年度のゼミ生。コロナの沈静化を願いつつ、時間の制約なしでしっかりと議論できる合宿などの課外イベントも計画中

  • 推薦者が勧める映画を全員で鑑賞した後、映画内で提起された問題をテーマに、グループに分かれてディスカッションを進めていく

  • 2022年3月、年度末の懇親会を開催。ロシアやウクライナ料理を堪能しながら思い出を振り返り、2021年度の卒業生を送り出した(撮影時のみマスクを外しています)