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日本の天文学の中核を担う研究に挑む「こだわりの詰まった国立天文台(三鷹)大発見エコツアー」を開催(2022年3月18日(金))

  • 2022年03月29日
  • イベント・行事
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 本学は、地球環境問題の解決に向けた決意表明・宣言として、1999年に「環境憲章」を制定し、2017年に市ケ谷・多摩・小金井を対象にした「法政大学環境マネジメントシステム(EMS)」を構築し、学生の主体的な参画を通した「持続可能な地球社会」の実現を目指しています。
 2022年3月18日(金)、法政大学環境センターは、「こだわりが詰まった国立天文台大発見エコツアー」を企画し、日本の天文学の中核を担う研究機関である「国立天文台」を訪問しました。
 当日は、国立天文台・天文情報センター所属の小池 明夫氏より国立天文台における天文学研究の軌跡などをご紹介いただきながら、国の登録有形文化財である「第一赤道儀室」、「天文台歴史館(大赤道儀室)」、「子午儀資料館(レプソルド子午儀)」、「ゴーチェ子午環室」や「太陽塔望遠鏡(アインシュタイン塔)」等を中心にご案内いただきました。
 今回は、1938年から61年間、太陽黒点のスケッチ観測に活躍した口径20センチメートルの望遠鏡が格納されている「第一赤道儀室」や屈折型の望遠鏡としては日本最大口径を誇る65センチメートル屈折望遠鏡が格納されている「天文台歴史館(大赤道儀室)」、すばる望遠鏡や野辺山宇宙電波観測所の45メートル電波望遠鏡、アルマ望遠鏡などの模型が展示されている「展示室」をエコツアーの参加者に特別に公開して下さいました。
更には、「展示室」においては、巨大な質量が激しく運動・変化する天体現象から発せられる重力波を検出して、他の手段では観測することができない現象の核心に迫る「重力波天文学」における重要な研究成果の干渉計型重力波アンテナ「TAMA300」や日本、アメリカ、英国の国際協力のもとで開発が進められ、今でも現役で活躍する「太陽観測衛星ひので」、日本、米国、カナダ、中国、インドの国際協力のもとで建設が進められている光学赤外線・次世代超大型天体望遠鏡「TMT(Thirty Meter Telescope、30メートル望遠鏡)」を始めとした国立天文台における最新の研究成果の一端を模型やパネルを用いてご紹介いただきました。
 「こだわりが詰まった国立天文台大発見エコツアー」においては、コロナ禍にも関わらずに本学の訪問を受け入れていただき、国立天文台所属の職員の方より直接解説を伺う機会に恵まれました。
 当日は、「地球」より遥か遠くにある「惑星」や「恒星」等に関する大発見をもたらした「天体観測」や「天文学研究」の軌跡を辿りながら、我々が暮らす「地球」の「謎」に迫るとても貴重な機会となりました。

主に星の位置観測のために用いられてきた屈折型の望遠鏡としては日本最大口径を誇る「65センチメートル屈折望遠鏡」。今回は、特別に「天文台歴史館(大赤道儀室)」の内部を公開して下さいました。

  • 「第一赤道儀室」においては、実際に口径20センチメートルの望遠鏡や重錘時計駆動赤道儀という方式(ガバナー式)を採用した架台を操作して太陽の黒点のスケッチ観測について解説して下さいました。

  • 太陽系の大きさを140億分の1に縮めて約100メートルの距離にそれぞれの惑星の特徴を凝縮した「太陽系ウォーク」。

  • 太陽の光を観測するとともに、物理学者のアルベルト・アインシュタイン博士の一般相対性理論を確かめる目的で建設された「太陽塔望遠鏡(アインシュタイン塔)」。

  • 「天文台歴史館(大赤道儀室)」においては、昔、観測に使われた装置の特性等について解説をいただきました。

  • 完成すると、これまでにない高さの解像度と感度が実現する「TMT(Thirty Meter Telescope、30メートル望遠鏡)」。

  • 国立天文台に関連した最新の研究成果に関する解説を伺った後、「展示室」前にて「記念写真」。参加者アンケートからは、四半世紀前や半世紀前まで活用されていた望遠鏡の技術の限界が我々人間に教えてくれることや次世代の望遠鏡が技術開発されることで新しい星が発見される可能性、天文学を通した新しいビジネスの創造に期待を膨らませる様子が伝わってきました。

  • 長年に渡って眼視による月・惑星・恒星の位置観測を行ってきた「ゴーチェ子午環」を格納する「ゴーチェ子午環室」。建物は、1924年に建設され、半円形のドームに入口の台形の屋根という異質な形を組み合わせた美しいデザインです。

  • 貴重な子午儀を数多く展示した「子午儀資料館(レプソルド子午儀)」。かつては、「レプソルド子午儀」は、月、惑星、主要な小惑星の赤経の決定に使用されました。