小金井キャンパスでモノづくりが好きなメンバーが集い、エコカーや電気自転車の製作を手掛けている機械研究会。活動のメインは、毎年11月にツインリンクもてぎ(栃木県)で開催される「Ene-1GP MOTEGI」(以下、エネワン)への出場。動力源は単三充電式乾電池40本という、制限付きエコ車両でのサーキットレースです。
1年次は電気自転車、2年次以降は3輪以上のエコカー製作を手掛け、上級生のサポートを受けながら、新しい技術を覚えていきます。
「やはり仲間と一緒に創意工夫しながら、一つのモノを作り上げる楽しさは格別です。製作中はモーターが動かないとか、ブレーキが利かないとか次々と不具合が起こるので、皆で話し合い、試行錯誤しながら解決手段を模索します。たくさんの失敗を経て、完成した車両のモーターが回り始めた瞬間は、感動しました」と三上さんは語ります。
エネワンの競技は、①1周走るコースタイムを競う「ONELAPタイムアタック」と、②耐久力を競う「e-kidenロングディスタンス」の2種。①と②の順位によるポイントの合計で順位が競われます。①で完走しないと②に出場することができず、①と②の競技間に充電はできないので、電池の使用配分を考えながら走行させることも重要な戦略になります。1年次の時に電気自転車のライダー役を務めたという小泉さん。「あいにく完走はできなかったのですが、少しでも前に進もうと奮闘している様子が実況中継のスクリーンに映し出され、大きな応援の声を聞いた時はうれしかったですね」と思い出を振り返ります。
レース前には車検があり、合格しないと走ることができません。時間ギリギリまで調整が施されます。
「前回(2019年)は、省エネでもパワーが出せるようにエコカーのモーターを新しくしたのですが、スペースの問題でブレーキが車両内にどうしても収まらず、残念ながら出場できませんでした」と無念の思いを語る水上さん。
リベンジを果たそうとした2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響でイベントが中止に。活動も大きく制限されてしまいました。
「気持ちを切り替えて、まずは新しい仲間集めに励む予定です」と新年度への思いを語るのは、代表の西野さん。「4年生も活動への協力を約束してくれているので、活動の火を消さないように、エコカーづくりの技術と楽しさを後輩に引き継いでいきたい」と、未来を見据えます。
(初出:広報誌『法政』2021年4月号)
※今回はオンラインで取材しています